決定版 - 武揚伝(上)
決定版 - 武揚伝(上) / 感想・レビュー
starbro
佐々木譲は新作中心に読んでいる作家です。「武揚伝」は十数年前に執筆されていたので、未読でした。今回、決定版が新刊で出たので読むことにしました。まずは上巻(幼少期から欧州留学まで)、榎本武揚の青春譚です。創作も一部入っていると思いますが、史実に比較的忠実に淡々と描いています。榎本武揚は江戸末期随一の国際人(マルチリンガル)・教養人だったのかも知れません。トータルの感想は下巻読了時に。
2016/01/12
ヒデミン@もも
このところ読みやすい作品ばかり読んでいるので、今年の〆にと思い切って読み始めた大作。佐々木譲さん初読み。幕末の世界に引き込まれてとまらない。自分が歴史も地理も疎いのが残念。しかし著者が勝海舟のことが嫌いなのか、榎本武揚が本当に嫌っていたのかわからない。そこまで悪く描かなくともいいんじゃないの? 立場が違えば感じ方も受け取り方も違うもの。しかし幕末の時代に欄語、英語、仏語と語学はもちろん工学系から国際法まで身につけるとは頭が良過ぎ。中が楽しみ。
2015/12/21
ロマンチッカーnao
政治家勝海舟の評価が面白い。もともとは海軍の一員だったのにそこではほぼ無能呼ばわり。実際はそれに近い。しかし、政治家としては、若かりし頃からその萌芽は見える。今までで読んでいた幕末物とは視点が違うので興味深い。
2016/05/23
誰かのプリン
佐々木譲初読み作品。ここに登場する勝海舟のイメージがピッタリ合う。口が上手く何事にも首を突っ込みしかも美味しい処だけを拐って行く。結構幅広く書き上がっているので読みごたえがあります。
2018/08/28
reo
いわゆる幕末物と言われる小説には二種類あって、明治維新を起こした薩長側(倒幕派)からみた歴史。例えば吉田松陰、高杉晋作、西郷隆盛、坂本龍馬等々。一方幕府側(佐幕派)から見た歴史。例えば松平容保、近藤勇、土方歳三、井伊直弼等々。などである。この著者佐々木譲氏の一連の幕末物は、前述のどちらにも属さない、ただただ新しいことを学びたいと思っている若き秀才を主人公に据え、彼らのモチベーションやポテンシャルを最大限に引き出し、この幕末という舞台で彼らへのリスペクト満載の清々しい物語である。とにかく面白い。中巻へ。
2018/08/09
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