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ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学

ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学

ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学

作家
藤井光
出版社
中央公論新社
発売日
2016-03-09
ISBN
9784120048333
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ターミナルから荒れ地へ - 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学 / 感想・レビュー

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ケイ

藤井光氏の翻訳作品なら間違いないと読むくらいのファンだし、お話のされ方も上手くとても分かりやすいのだが、ご自身であとがきに書かれておられるように、全体としてまとまりがなく、読みづらかった。確かに村上春樹作品のように、どの国の人が読んでも、違和感のない作品が増えている。だが、自分としては、ああいかにもアメリカだな、ロシアだな、イタリアだな…という印象を持てる作品を読むのが楽しく、自分の好みがここで記されているような作品とズレがあるからかもしれない。

2020/03/21

かわうそ

最近奇想系の作品が流行っているアメリカ文学の背景をはじめ目から鱗落ちまくりのエッセイ集。個人的には王道のアメリカ文学にそれほど惹かれない感覚があるので、新たな無国籍風味の小説がどんどんアメリカから生み出され翻訳されることを期待しております。

2016/05/03

踊る猫

そう言えばこの著者の訳した作品を読めていないことに気づかされる。私自身の勉強不足を痛感させられる。アメリカ文学を中心にグローバルに(村上春樹も視野に入れて)文学を概観しようとする姿勢は生真面目そのもので、むろんややユーモアも交えてはいるのだけどそのギャグは滑っている。結果として読み物としては良く言えば真摯な英文学研究のドキュメントとなっており、悪く言えばもう少しコアに/冒険したものを読みたかったかなというところ。だが断じて駄本ではない。著者が訳する作家をもっと読み込み、ディープに奇想と戯れたいと思わされた

2019/01/23

三柴ゆよし

いま最も信頼できる翻訳者・藤井光の初エッセイ集。抜群のおもしろさとリーダビリティを誇るが、ここに書かれたことの重要性は、アメリカの小説だけに限らない。現代アメリカ文学の特徴を、無国籍なターミナル空間にもとめるのは至極納得。しかし本書の場合、そこから更に一歩進んで、アメリカの夢の最果てたる荒れ地というヴィジョンを提示している。私は最近の若いアメリカ作家たちの小説を、どちらかといえば閉じた箱庭的幻想のようにとらえていたのだが、むしろそれぞれ固有の方法によって、世界にアクセスしようとする試みだと気付かされた。

2016/03/17

かもめ通信

ダニエル・アラルコンの『ロスト・シティ・レディオ 』を読んで以来、細々と遅れ遅れではあるけれど、翻訳家の藤井光さんの翻訳作品を追いかけている私としては、このエッセイ集は読まなきゃ本だったのだが、副題のアメリカ文学うんぬんには正直少々不安を覚えてもいた。昔から翻訳小説好きの私だが、どうも米文学には苦手意識をもっていたから。でもこの本を読んだら、自分がなぜ米文学を避けてきたのか、なぜここ数年急に興味を持ちだしたのかがよくわかった気がした。おかげでますます新旧様々な積読本が増えそうではあるけれど…。

2016/05/16

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