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比ぶ者なき

比ぶ者なき

比ぶ者なき

作家
馳星周
出版社
中央公論新社
発売日
2016-11-16
ISBN
9784120049095
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比ぶ者なき / 感想・レビュー

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鉄之助

「日本の歴史を書き換えた男」藤原不比等が主人公。当時の王朝の正当性、天皇を「神」とするため『古事記』『日本書紀』を編纂させた。聖徳太子の事跡もその時書き加えられた、という。元々は「史(ふひと)」だったが天皇から「不比等(等しくならぶ者なし)」この名を賜った。それがこの本のタイトルにもなっている。他の者と比べられない唯一無二の存在。藤原不比等の壮大な物語に圧倒された。天皇を一気に神格化すると、臣下たちに抵抗されると想定されるため、柿本人麻呂の歌で民衆に浸透させた、との筋立てが面白かった。

2024/05/15

starbro

馳星周は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。デビュー20周年記念作かつ著者初の歴史大作、一気読みしました。最近、著者は新境地の作品が多いですが、本作は直木賞狙いでしょうか?万世一系、日本書紀による天皇の神格化、聖徳太子の捏造等、古代史における陰謀が暴露されているので、もしかしたら宮内庁に発禁処分されるかも知れません。天皇システムのスキームを構築した比ぶ者なき者、藤原不比等、恐るべし!!!

2016/12/13

初美マリン

敵対した天智天皇の寵臣鎌足の息子が持統天皇に重用されるだけでも等しく比ぶ者なき、不比等。長期の目的の為に目の前のことを一つずつ片付け進む。凄いのですがここで日本書紀の編纂の意味からも創作とは言われていましたが、唯一の歴史書がここまで信憑性に欠けるとは。作品はとても引き付けらました。

2021/04/08

Shoji

読み応えたっぷり。全篇藤原不比等です。不比等といえばダークな印象です。一方、長屋王はクリーンな印象です。不動の権力を手に入れるために四六時中考え、死ぬ直前まで奔走する不比等。それに対して、自身の置かれた立場にあぐら座りして行動することなく受け身の長屋王。この物語では、策士である悪い奴、不比等がヒーローだった。物語を通して1300年前の飛鳥京、藤原京、平城京が空想の中に広がり、楽しく読むことができました。それにしても『比ぶ者なき』か、確かに。

2017/04/23

さつき

藤原不比等が主人公。自らの野心に忠実に、策謀をめぐらす様子はぞくぞくするような面白さでした。藤原氏の繁栄はこの人なしにはありえなかったんですね。お互いの野望を成就するために結んだ持統天皇との絆に痺れます。新しい神話を作っていく過程は、説得力がありました。本当にこのようなことが行われたんだろうな。この後の藤原四兄弟と長屋王との争い、聖武天皇と光明皇后の姿もぜひ読んでみたいですが、続編はないのでしょうか?

2018/03/07

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