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わたつみ

わたつみ

わたつみ

作家
花房観音
出版社
中央公論新社
発売日
2017-02-19
ISBN
9784120049439
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わたつみ / 感想・レビュー

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starbro

花房観音は、新作中心に読んでいる作家です。本作は、京都が舞台ではなく、官能も少な目なので、従来の著者の作品とはテイストが異なります。花房観音は、こんな作品も書くんだぁというのが第一印象ですが、官能に嫌悪のある女性読者でもそんなに抵抗なく読めると思います。【読メエロ部】

2017/03/30

おしゃべりメガネ

花房ワールド全開!というより、桜木紫乃さんのカラーのほうが強く感じた作品でした。というよりもっと言うと今作は完全?に桜木ワールドでした。花房先生特有の官能レベルは少し控えめで、桜木さんが得意とする人と性の'つながり'を書き綴っています。花房さんの作品はもちろんストーリーも大事ですが、結果的にその雰囲気が何よりも重要な要素なんじゃないかなぁと思います。今回はとある町の加工場で働く女性たちにスポットを当て、それぞれが抱える諸事情を巧みに展開させていくあたりに'ワザ'を感じます。こんな花房さんもいいですね。

2017/03/07

じいじ

 主人公は33歳独身の女。東京で人生の壁にぶつかり、生まれ故郷に舞い戻ることに。秘密を裡に秘めて…。寂れた想い出の町で再会する女たち、それぞれの思惑が交錯する人間模様が見どころ。今作は、これまでの花房作品と少々違った味わいを感じる。登場人物のキャラも哀愁漂い地味目なのだ。桜木紫乃の雰囲気を彷彿させる。未来に向けて違いを見せる女たちの人生観、「生」と「性」への欲望、思いは天性なのか?育った環境によるものなのか?。花房観音が描く女像の描写は巧い、そして面白い。

2017/05/23

ふぅわん

【強気で生きてる人ほど些細なことで限界を感じる】人生で壁にぶつかり憧れた未来は不安に…秘密を抱え故郷に戻った女の生、性、嫉妬、欲望を描いてる。女の秘密は甘美な瞬間はエネルギーになる。心情描写が上手い人ね。誰かに想いを寄せるのは罪⁈心に真っ直ぐ生きてる人は素敵、弱みに付け込む人は許せない。心では満たされない感じられないものある。だから求め合うお互いに。「愛してる」男女の言葉の受け取り方の違いもあるように。木下さん純粋だったのね。読んでわたしの心も感情がいろいろ揺れた。内面だけでなく欲望を動かされる作品。

2019/06/11

モルク

東京から故郷に戻り、かまぼこ工場で働く主人公と、彼女の同僚の女性たち。湿った空気と陰鬱な土地で、彼女たちが抱えるふつふつとした想い、好奇の目そして噂と嫉妬が渦巻く。それがまた彼女たちの罪を明らかにしていく。そんな中、主人公は最後に己れの道を東京へ「帰る」ことで再び歩もうとする。彼女が故郷に戻らざるをえなくなった原因、彼女を騙し絶望させた男への決別の一言はちょっとスカッとした。

2018/04/26

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