異常探偵 宇宙船 (単行本)
異常探偵 宇宙船 (単行本) / 感想・レビュー
いたろう
タイトルの「異常探偵」と「宇宙船」が結びつかず、そういうタイトルの2つの短編を含む短編集なのかと思ったら、宇宙船と名乗る探偵(?)が主人公の話だった。その探偵を始め、出てくる登場人物が、普通ではない変わった人物ばかり。これは意味不明、支離滅裂の不条理劇になるのか、と危惧したが、登場人物たちが不思議に有機的に繋がる良質のエンタメになっている。テンポの良い活劇の面白さもあり、ストーリーもひねりが効いている。探偵vs怪人、少年探偵団、そして、「屋根裏の散歩者」を思わせる場面もあり、乱歩へのオマージュも愉しめた。
2018/06/24
あじ
頭巾を被った先生、30才の少年率いる探偵団、“空気ゴキブリ”なる標的。そして乱歩の口調を借りた宇宙人(?)の語り。むず痒い私の好奇心にイタズラする。彼らのズレが生じさせる擦れを、戸惑いとして分かち合いながら、奇妙なリズム感に踊らされる感じ、ヤバイ一体化しそう…。「この世は不良品なのよ。不良品のない世界なんて地獄だわ」異常者たちの異常な事件を専門に扱う彼らの活躍は、今始まったばかり(たぶん)。そして奇才作家の快進撃が始まってます(ように思う)。蠢く者と結託して文学界を食い荒らしてしまうかも!?期待してます。
2018/03/24
おかむら
前田司郎の新作は探偵小説なんだけど、探偵が電波系パート主婦、助手が金持ちニートと浮浪児、依頼者も異常性癖と、なんだか常識外の人々しか出てこない。そしてこんなに危ないキャラクターだらけなのになぜかほんわか。江戸川乱歩ぽい語り口が楽しいが、 クセか強いので前田司郎ファン向け。
2018/05/15
み
ジャケ読みした作品、たぶん初読みの作家さん。う〜ん、確かに異常だわ(*_*)設定からキャラから、読み終わって疲れてます。
2022/04/09
那由多
要約すると、「変態の殺人事件を変態が、異常な探偵に依頼し、探偵は異常な仲間と捜査を開始し、変態怪人は変態怪人と戦い、異常な探偵たちは異常な犯人を追いかける」というもの。探偵と犯人の抱えるものがヘヴィでやり切れない。
2020/01/11
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