大人になったら、 (単行本)
大人になったら、 (単行本) / 感想・レビュー
いつでも母さん
畑野さんの新作。『消えない月』のダメージが残っているのに加え、この表紙に帯・・いやいや良かったです。いったい我々はいつから『大人』になったのか。何をもって『大人』と云うのかを考えさせられる。かつて『子ども』だった頃はとても遠い存在だった。子どもから大人を自覚するまでの間はとても微妙な時間だったと思う。35才はまさしく微妙なお年頃。でも、いいじゃない!自分の人生だもの、恋愛だって結婚だって出産だって、人と比べる必要はない。気付いた時が『今』ならそこから恋を始めよう。命(メイ)と羽鳥、二人で幸せにな~れ!
2018/04/14
おしゃべりメガネ
畑野さんらしく、ちょっと陰のある35歳独身女性、カフェ店員の’あれこれ’をゆるりかつシリアスに描いた作品です。同じ年頃の女性読者さんが読むと、よりいっそう共感ポイントがたくさんあるんでしょうね。作中に出てくる帰国子女のイケメン店員「杉本」君が最初、ちょっとイヤなヤツかなと思いましたが、さすがは畑野さん、ただのイヤなキャラだけを書くわけはないですね。家族のコトや恋人のコト、恋愛や仕事のコト、そして何より自分自身のコトを見つめ直し、悩みに悩んで決断していかなくてはならない苦悩が十分すぎるほど伝わりました。
2018/04/21
machi☺︎︎゛
「大人になったら、」かぁ。葛城メイは35歳の誕生日を複雑な気持ちで迎えた。決して若くはないけど高齢化社会の今じゃまだまだ起承転結の承の半ばくらい。恋人は今はいないけど、カフェの副店長を任せられ仕事は好きだ。同い年でも既婚者と独身者の違いは大きく、いろいろ良くも悪くも考えてしまうお年頃。意味のない話をして笑い転げていた頃とは違い、社会的立場や責任も大きくのしかかる。そんな中でメイが選んだ道は独身だからこそできる事であり少し羨ましくもあった。
2021/08/05
fwhd8325
男子ですから、わかったようなこと言うなと言われても仕方ないのですが、複雑な心の動きがよく描かれているなと感じます。どんよりとしたり、どこか素直になれなかったり…それでも自然に、人生に前向きになる姿は、美しいと思うし、周りの仲間もそれは魅力があると思います。一度、立ち止まった人は、無理して追いつこうとしなくてもいい。人生は、そんなに意地悪ではないはずだから。
2018/05/15
taiko
チェーンのカフェの副店長、35歳独身のメイ。 父親は失踪、母とは死別、10年付き合った彼とは7年前に別れていた。 結婚、出産、仕事の昇格試験など、向き合わなければならない問題は沢山あるものの、毎日を過ごしていた。… 色々なことに臆病になっているメイに、もっと頑張れと思いながら読んでいた。 とは言いながら、30代の独身女性としてはリアルな心情が描かれており、興味深かった。 後輩杉本が実は良い奴でほっこり。 「消えない月」を思い出し、羽鳥先生を疑ったタイミングが幾度かありました。 ごめんなさい。
2018/07/13
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