死にがいを求めて生きているの
死にがいを求めて生きているの / 感想・レビュー
starbro
朝井 リョウは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「帝国ルール」海山伝説青春連作短編集かと思いきや、中央公論新社創業130周年記念「螺旋」プロジェクト http://www.chuko.co.jp/boc/spiral.html の1作でした。 単体作品ではないので、どおりで不完全燃焼な訳です。 続いて伊坂幸太郎の「スピンモンスター」& 「シーソーモンスター」へ。
2019/03/27
うっちー
プロジェクトととのことで朝井さんらしくない。話しもまどろっこしい。
2019/03/30
bunmei
『螺旋プロジェクト』2冊目。今回の『海族と山族』は、競争主義から逸脱したゆとり世代における生きがいとリンクして描かれています。著者が生まれ育ってきた平成時代を背景とした物語。植物状態となった智也と、彼の傍らで看護を続ける雄介。二人の間には単なる友情以上の何かがあり、小学生時代の2人の関係に遡りながら、彼らに関わる第3者の目を通して物語は進みます。立ち向かう生きがいを感じなくても、ただ人はそこに生きているだけで、人と繋がり、存在する意義があることを強く訴えかけてきます。智也の奇跡的回復を祈るばかりです。
2019/07/31
utinopoti27
平成の世に育ち、他者との比較から目をそらされてきた若者たち。横並びの価値観が創る個性とは何なのか。本作は、対立の構図に生きがいを見出そうとする雄介と、見守る智也という、二人の奇妙な関係性が中心となっている。生きがいを求めて葛藤する登場人物たちには、それぞれ生きる意味を無理にでも探そうとする「生きにくさ」が見て取れる。他者との距離を測り続けることでしか自分の価値を認識できない者たちの苦悩は、始末に負えないほど深い。ただ、真にやっかいなのは、読み手を傍観者でいさせない、朝井作品特有の息苦しさなのかもしれない。
2019/06/17
のぶ
螺旋プロジェクトと題された別々の作家の全8作のシリーズの第1作らしく、一定のルールの下で書かれているものだが、朝井さんの本作は、北海道を舞台にした友情と青春の物語。冒頭で植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介という状況が描かれているが、本編に入るとこの状況描写は、作中でほとんど出てくることはない。二人に関係する人物の視点で書かれ物語は進行する。若さの特権のような元気な姿と苦悩が物語を引っ張る。面白く読んだが、冒頭で書いたルールに収まっているかどうかは読み解けなかった。
2019/03/30
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