KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

ある「BC級戦犯」の手記 (単行本)

ある「BC級戦犯」の手記 (単行本)

ある「BC級戦犯」の手記 (単行本)

作家
冬至 堅太郎
山折哲雄
出版社
中央公論新社
発売日
2019-07-06
ISBN
9784120052156
amazonで購入する

ある「BC級戦犯」の手記 (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

0717

福岡大空襲で母を失った陸軍主計大尉の著者は、墜落した爆撃機の乗員だった米軍捕虜の処刑現場に出会す。激昂に駆られ志願して4名の斬首、これが後に西部軍事件の実行者としてBC級戦犯で絞首刑判決を下されることとなり、本書は巣鴨の獄中での手記。獄中での生活、家族への思い、近く死すべき運命であること等々、赤裸々な思いが吐露されている。獄中出会った岡田資陸軍中将の最後、花山教誨師の後任、田嶋隆純教誨師の減刑活動等の事。

2020/01/30

ケニオミ

処刑されていく誰もが、見苦しい振る舞いをすることなく、残る者たちに丁寧にあいさつをして処刑場に向かっていました。取り乱す人など一人もいないこと自体不思議な感慨を覚えました。死に立ち向かうための相当な努力をした姿だと思いますが、清さを覚えました。国のために戦い、そのせいで責任を取らされる。何だか理不尽なものも感じました。

2019/09/29

パトラッシュ

前線で戦う軍人ではなく後方勤務の主計将校だった男が空襲で母を失った直後、捕虜となった米兵4人を志願して斬首した。当時の感情は察するに余りあるが、英雄的行為とされたはずが戦後BC級戦犯として死刑判決を受ける。巣鴨プリズンで次々と同囚者が絞首台へ向かうのを見送りながら、岡田資元中将と田嶋隆純教誨師から仏教思想を学び、人生や死を考え抜く極限の日々は文章を追うだけでも辛い。政治や戦争という巨大な不条理に運命を翻弄された誠実な一日本人の魂の記録であり、凡百の戦争論・軍事裁判論など無意味にしてしまう迫力に満ちている。

2019/09/10

ののまる

東京駅の愛の像、知らなかった。

2024/05/05

コウジ

大分長く掛かってしまったが読了。後半の3-40pに短歌 俳句の章があって完全にそこでストップ。詩歌の心得の無い事が露呈。 著者は戦時中に米兵を斬殺した事で巣鴨プリズンに入獄し、絞首刑の判決を受ける。 自分の子供と斬った米兵の子供が会う事は有るのだろうかと言う短歌は心に残ったな。 親の仇として斬った相手であっても時が経てば後悔の念も芽生える人間の性。 それにしても昔の知識人と云うか教養のある方々は生真面目で向学心や道徳心が図抜けているなぁと思いました。 勉強になりました。

2021/04/26

感想・レビューをもっと見る