中国史SF短篇集-移動迷宮 (単行本)
中国史SF短篇集-移動迷宮 (単行本) / 感想・レビュー
keroppi
最近注目の中国SFだが、中国史SFアンソロジーとはまた狭いテーマだなと思いつつ興味津々で手に取ったが、その奥深いこと。多くの注釈と巻末の詳しい解説で理解が進んだが、やはり私の中国史そのものへの知識が不足しているため十分には楽しめなかった。それぞれにSF的魅力には溢れているのだが。当然のことだが、現在の中国への批判ある歴史SFはない。解説を読むと、中華民国が勝利を収め、毛沢東が亡命先で死亡するという改変SFもあるらしいが、香港台湾で出版され中国ではほとんど流通していないということだ。
2021/09/06
Panzer Leader
中国のSF短編小説の中でも中国の歴史とSFが融合した作品を集めたアンソロジー。二、三面白いものもあったが、「折りたたみ北京」「月の光」「時のきざはし」収録作品ほどインパクトがある作品には巡り合えなかった。自分が中国の歴史・文化にそれ程の知識があるわけでもないのでその辺がネックになったのかも。巻末の「中国史SF迷宮案内」は編者の中国史SF愛が溢れていてとても参考になった。
2021/11/14
星落秋風五丈原
「南方に嘉蘇あり」あの孔明も飲んでいたびっくりコーヒー中国史。
2021/09/28
小太郎
先日読んだ「両京」が素晴らしかったので、馬伯庸さんが書いてるならと読んでみました。お目当ての馬さん「南方に嘉蘇あり」は珈琲は本当は中国発祥のものなんだという偽史、前知識なくこれだけ読むと成程どうなんだと思わせるほどの完成度が高い。他は玉石混交、ハード主体ではなく観念小説風の作品が多くて?かな。読み応えがあったのは「永夏の夢」と末尾の編者(大恵和美)解説の「中国史SFの迷宮案内」これを読んだだけでもこの本を読む価値はあります。★3
2024/06/21
サケ太
かなり良かった。中国史歴史SFというのは、正直馴染みがないジャンル。しかし、かなり惹かれる。その内容もかなり多彩で、孔子は道を求めて泰山に登るが既に時空がねじ曲がっている事に気がつけてしまう『孔子、泰山に登る』。諸葛孔明コーヒー豆の栽培に成功したことで、中国史に寄り添うように存在するコーヒーの存在が面白い『南方に嘉蘇あり』。幻想的な雰囲気な中で歴史への反骨を感じさせつつも未来を暗示する『移動迷宮』。永生者と時間旅行者の出会いと爽やかさを感じさせる最後『永遠の夏』。まだまだ漁ってみたいジャンル。
2021/06/23
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