おまえなんかに会いたくない (単行本)
おまえなんかに会いたくない (単行本) / 感想・レビュー
いつでも母さん
なんともストレートなタイトルに、そしてこの装画に読む前からちょっとドキドキした。高校時代に埋めたタイムカプセルを10年後に開く同窓会の案内状が届いた。そのSNSに書き込まれたある事に思い当たるやましさを、あの頃とコロナ禍の今を行きつ戻りつしながら進む当事者たちと投稿者・岸本。この顛末は、ん~ん・・苦い思いが残った感じ。岸本の家人がずっとそばで支えていたのだと思うと、そこはホッとするも、私も聞きたい「気は済んだ?」と。人生に勝ち負けはないけれど、あの微妙な頃をどう過ごしたかは過ごした人にしかわからない。
2021/09/27
美紀ちゃん
雪下まゆさんの表紙に惹かれて読む。 スクールカーストあるある。 日本各地の因習や伝承などオカルト風の本で見た遺言墨は都市伝説なのか? そのあたりの話題の時には、どうなってしまうのか?ドキドキしながら読んだ。 女子校生の会話は、憶測が多い。 こうなってしまうと、 思春期の人間関係は残酷だと思った。
2021/10/14
モルク
高校三年の時に埋めたタイムカプセル。10年後の同窓会でそれを開けることに…同窓会のSNSも立ち上がった。そこに「岸本李矢さんを覚えていますか」という書き込みが。いじめを受け転校していった少女。みんな彼女のことを忘れていた。スクールカーストの底辺だった彼女、そしてその頂点にいたのは今はローカル局のアナウンサーをしている井ノ川だった。いじめ、加害者と被害者の温度差、「遺言墨」という都市伝説。結末は案外あっさり。もっと復讐して欲しかった。ある遺言墨の話に出てくるのって「コイコワレ」の清子かしら。
2022/01/24
machi☺︎︎゛
過去に囚われ翻弄される人々の心の移ろいと苦悩を描く青春群像劇の傑作。と帯にあったが、まさにその通りだった。10年前に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねた同窓会が開催されることになった。その関連のSNSで急に現れた「岸本李矢さんを覚えていますか」という書き込み。クラスメイトの高校時代のスクールカーストの様子と今現在の様子が描かれ、まるで自分のそのクラスにいたかのような感覚で最後まで緊張感いっぱいだった。最後はイヤミスでスカッとする終わり方だった。
2021/12/23
とん大西
イジメを誘発していたのは「私」だから…、「私」はイジメの被害者だから…『おまえなんかに会いたくない』。毒気の強いこのタイトル、読んでる最中はざわざわして、読後はざらついて。緩やかかつ厳粛なスクールカーストが支配した高校生活から10年。かつての青春も今は昔。男子も女子も大人になり、それぞれが現実の生活と向き合う日々。ほどよく大人に成長した者、相変わらずいいヤツとよくないヤツ、そして囚われ続けてるヤツ。10年を経た今、同窓会を支配する空気は苦味と緊張、苦痛と歪み。さぁ、タイムカプセルは開かれる。
2021/11/30
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