星を掬う (単行本)
星を掬う (単行本) / 感想・レビュー
starbro
町田 そのこ、3作目です。本屋大賞受賞後第一作は、不器用で幸薄い母娘たちの壮絶な物語でした。最期は、微かな星を掬えハッピーエンド、千鶴の今後の将来に幸あれ。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/10/005473.html
2021/11/03
さてさて
『ひとにはそれぞれ人生があ』る。この作品では、『母さえ、わたしを捨てなかったら。そうしたら』と、自らの人生の苦悩を母親のせいにして生きてきた娘の姿がありました。そして、そんな娘が母親と再会して感じること、”捨てた側”と”捨てられた側”の思いがぶつかり合う先に浮かび上がるのは、それぞれがそれぞれを慕い合う優しい想いに包まれた母親と娘の姿でした。「星を掬う」というこの作品。すれ違ったからこそ見ることのできた美しい星の輝き。星を掬い取るという人の心の機微を感じさせる優しい想いに心を打たれた素晴らしい作品でした。
2021/10/23
ろくせい@やまもとかねよし
血縁母娘であるが故の利己と利他の混沌が描かれていた。突然実母がいなくなった娘。育児ノイローゼで実母が去った娘。異常な母の過干渉を強制的に受け入れてた娘。非常な出産を母に助けてもらえなかった娘。娘の利己的攻撃は弱者の暴力と喝破。娘を捨てる選択した母。彼らは同じ年頃の血縁はない娘を親身に受け入れる。まるで許されない罪への罰を受けるように。再開した2組の母娘と家族同様の娘5人の心境で綴る。「親でも子どもでもそれぞれの大切な人生」の描写。私がある漫画で知り30年以上大切する言葉と同じ。驚きとともに言い難い感動も。
2021/12/17
bunmei
テーマは母と娘の母子愛なのだろうが、育児放棄、嫁姑、DV、十代の妊娠、親の介護等、様々な社会問題をも投げかけてくる。母が娘を手放したばかりに、悲痛な運命を強いられた娘の視線を通して、終始、重苦しい空気を漂わせている。同様に心の傷を抱えて生きてきた5人の女性達の共同生活を通して、それぞれが内に秘めた悲痛な叫びと共に、その生き方について振り返りながら綴られていく。母子だからこその辛さや寂しさ、痛さまでもが伝わってくるが、ラストには、母子の絆の確かさと安堵によって、穏やかな気持ちで目頭を熱くさせる物語である。
2021/12/27
うっちー
辛い小説でした。千鶴の変化が救いでした
2022/01/16
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