威風堂々(上)-幕末佐賀風雲録 (単行本)
威風堂々(上)-幕末佐賀風雲録 (単行本) / 感想・レビュー
旅するランナー
威風堂々。大隈重信の国政一直線。幕末後必要不可欠な語学力と国際法の知識をフルベッキから学ぶ先見之明。国力高揚することを真摯に思考する確乎不抜。パークスら外国勢を互角以上の交渉力で論破し、薩長土肥の志士たちと丁々発止·喧喧諤諤とやり取りする姿が痛快無比。そして、蒸気·武器の開発で存在価値を高めていく佐賀藩の智略度量など見所満載。立身出世を絵に描いたような疾風怒濤·軽快軽妙な活躍に、まだまだ興味津々。
2022/09/02
starbro
伊東 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。大隈重信が、早稲田大学の前身の東京専門学校を開校したことは知っていますが、大隈重信の物語を読むのは初めてです。 大隈重信の傑物ぶりは見事ですが、一人娘のネーミング(大隈熊子)だけはいけません(笑)直ぐに下巻を読みたいのですが。図書館の配本の関係で読めるのは2月になりそうです。 https://www.chuko.co.jp/tanko/2022/01/005489.html
2022/01/28
とん大西
幕末、明治維新…「大変革期」と私達が断言できるのも、前後の時流を「歴史」として知っているから。でも、実際にその時代に生きた人々が時流というものを肌感覚でどれだけ認識してたのか…なんて、歴史小説を読むといつもそんなことを考えたりします。神の視座から3Dの年表を俯瞰し、躍動していた英傑たち。主役を張るのは西郷、龍馬、慶喜だけじゃない。大隈、こんなに破天荒で子憎たらしい人だったのね。それでいて頭抜けた行政官僚の資質。列強相手に一歩も引かないロジックの展開とクソ度胸。全ては国家のためという熱い志。下巻も楽しみ😄
2022/05/08
のぶ
今回、伊東さんが物語のモデルに選んだのは大隈重信だった。まだ上巻を読む限りだが、プロローグで大隈が亡くなるところから始まっているので、生涯を描いた話で間違いないと思う。1838年に佐賀城下に生まれ、当時は八太郎と名乗っていた。成長し佐賀藩主鍋島直正(閑叟)に、その才能を見いだされ、頭角を現す。当時は幕末から明治維新への激動の時代で、そんな中、西郷隆盛、大久保利光、坂本龍馬他錚々たる志士たちと交流を重ねる。伊東さんの筆致はいつもの通り史実に正確で、人物像が良く描かれている。この先どうなるのか?感想は下巻で。
2022/01/21
はれひめ
正直なところ大隈重信は私の好きな偉人ではない。では何故読むのか?それは伊東潤先生の上下巻長作だから。佐賀藩士が幼少から『葉隠』で教育されてきた佐賀人気質が興味深い。 嫉妬という精神風土がないとか肩書きに萎縮しないとか。娘を大隈熊子と命名するセンス。語呂が悪いとか頓着しない大隈は佐賀人故なのか。薩長土肥で隠れがちな佐賀藩。史実に沿った大隈の大河小説下巻へ。
2022/03/26
感想・レビューをもっと見る