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徳川時代はそんなにいい時代だったのか (単行本)

徳川時代はそんなにいい時代だったのか (単行本)

徳川時代はそんなにいい時代だったのか (単行本)

作家
小谷野敦
出版社
中央公論新社
発売日
2022-11-21
ISBN
9784120056017
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徳川時代はそんなにいい時代だったのか (単行本) / 感想・レビュー

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さらば火野正平・寺

小谷野敦による随談風徳川時代史。古くからの小谷野読者には、聞き慣れた文句も多いのだが、それでもやはり、忌憚のない意見が活発な江戸時代史というのは面白い。一見薄い本だが、活字が少し小さめなので、結構盛りだくさんである。巻末にオマケとして、林不忘(牧逸馬、『丹下左膳』の作者)による短編歴史小説『日本義民伝 生田萬』が掲載してあって嬉しかった。同時期に乱を起こした大塩平八郎を扱ったものは森鴎外の小説や伊賀和洋の漫画などあるが、生田萬が主人公のフィクションはこれぐらいではなかろうか?。面白かった。お薦めします。

2022/12/06

hasegawa noboru

江戸時代に関する文化事象が幅広く網羅され、その蘊蓄が披瀝されている。<時代は誰にとってもいちようではありえない。富豪にはいい時代でも、下層民にはいい時代ではない。徳川時代はそういう意味で、人によって違う時代だったが、とかく人はどちらかに片付けたがるものらしい。><過去美化をする人というのは、その過去における恵まれた人の立場でものを考える傾向があるので、認知の歪みが生じているということである。>という至極もっともな考え方に立つ、書き下ろしエッセイ。表題をテーマに、論じられている評論というのではない。

2022/12/03

軍縮地球市民shinshin

小谷野敦の本を読むのは久しぶりだ。内容は江戸時代に関する小谷野のとりとめのない話を活字にした、というだけのもので、まぁ読んでいて肩は凝らない。巻末に生田萬の乱を取り扱った林不忘の短編が掲載されていて、1933年発表というが、結構左翼臭が強いなぁと感じた。封建権力によって弾圧されていた民衆が耐え切れずに農具を武器にして代官所を襲撃する、絵に描いたような戦後日本人のリベサヨが夢想している「百姓一揆像」ではないか。昭和初期は右派も決起を呼びかけていたし、その目的も財閥を打倒し苦しむ農民を助けるというものだった。

2023/02/19

hirorin

相変わらず物議を醸しそうな小谷野さんですが、面白いし為になります。「~~時代は、良かった」というのは、視点や立場が違えば色々違ってくるということを初めに書いてますね。例えば、身分も高く裕福であればおいしいものもきれいなものも教育も享受できるけれど、そうでなければ、悲惨だと言うのです。そしてほとんどの人が、そうでない層に生まれる確率の方が高いって。確かに人口構成比からいけばそうなる。昔は良かったと言っても戦前の民主主義でない時代だと好きな本も読めないし、ほとんどが厳しい暮らしだって。★

2023/03/13

乱読家 護る会支持!

司馬遼太郎さんの江戸批判(民族的性格の矮小化、奇形化)を冒頭の序文に持ってきた本書。 ここから、江戸幕府の批判を展開されるのかと期待したが、、、、 テーマが決まっているようで決まっていない江戸時代に限らない歴史エッセイ集でした。 タイトルで購入された方は、ずいぶんとがっかりされるのでは、と思いました。 テーマは、「厭離穢土欣求浄土」「忠臣蔵」「浄瑠璃」「日本人の思想」「かなづかいと漢字」「徳川家臣団」「芭蕉、西鶴、馬琴」「遊郭と男色」などなど。

2023/04/25

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