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歴史をうがつ眼 (単行本)

歴史をうがつ眼 (単行本)

歴史をうがつ眼 (単行本)

作家
松本清張
出版社
中央公論新社
発売日
2022-12-20
ISBN
9784120056123
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歴史をうがつ眼 (単行本) / 感想・レビュー

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koji

本書の「うがつ(穿つ)」は(保坂さんが清張の『史眼』と云っているように)「物事の本質をうまく的確に言い表す」という意味でしょうか。本書は4編から成る清張日本論。やはり圧巻は清張・司馬対談。ハノイの銅鐸から始まり、①日本人はどこから来たか、②朝鮮半島と日本は一つの地帯か、③日本人は北方民族か、④日本の近親婚風習、⑤天皇の位置づけ、⑥鎌倉体制による日本の成立、⑥応仁の乱は革命か、⑦日本人の統一願望、⑧尊皇、水戸朱子学、⑨近代国家とは何か、⑩自由民権運動とは、⑪歴史をどうみるかと、縦横無尽に語り尽くす満足の一冊

2023/12/07

クラムボン

初めに「エコノミスト」創刊50周年記念の講演、次に司馬遼太郎との対談、最後は古代史学者の青木和夫との対談。これら三篇を通して感じたのは、清張さんの歴史に対する姿勢、飽くなき探求心だ。…やはり目玉は司馬さんとの対談。先ずは古代史から。清張さんの得意分野だが司馬さんも互角に渡り合う。戦国時代は意外にも司馬さんの発言に対して聞き役に回り、花を持たせる。そして幕末近代史に入ると白熱する。お互い自説を押し通し一歩も引かない。全体的には司馬さんペースで進んだようだ。14歳年下でも座談の名手ですからね。

2023/05/22

田中峰和

歴史に造詣の深い作家松本清張と司馬遼太郎の対談が面白かった。互いに相手の意見を受け入れず、反論する場面が多く、編集者は冷や冷しただろう。万世一系に疑問をもつのは二人の共通点だが、戦国大名の野望に関しては違った意見だった。司馬の意見では足利義昭を担ぐことを諦めた信長は天皇を担ぐことにしたが、武将たちは将軍になろうとしたのではなく、天下に号令するのが目的だった。一方、松本は天皇から将軍のお墨付きをもらう大義名分が重要だったと考える。作家が述べると幻想になるが、学者がいうと説になると言う司馬。謙虚な意見だ。

2024/05/14

のせなーだ

「眼力」ですね。鋭い。 対談では、書く文章とは違った能力などが、伝わる。

2023/08/21

mura

松本清張氏が戦後史だけでなく古代史にも見識があるのは知らなかった。司馬遼太郎氏との対談は、お互いの意見を尊重しつつ、変に妥協せず自説は曲げずに話しているのは面白い、しかも50年近く前の対談で2度びっくり

2023/03/05

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