名場面でわかる 刺さる小説の技術 (単行本)
名場面でわかる 刺さる小説の技術 (単行本) / 感想・レビュー
いっち
小説を読む人や、書く人に役立つ。読む人には、著者の紹介する本の中で、読みたい本がきっとあるので参考になる。私は森博嗣さんの『喜嶋先生の静かな世界』を読みたくなった。喜嶋先生は大学教員。主人公は大学生。「社会」と「研究」が対立するものとして描かれる。「研究」に属していた主人公が、「社会」に寄っていく。そのとき喜嶋先生への印象や、二人の関係性がどうなるのか。読みたい一冊になった。書く人には、どうしたら面白い小説になるかが参考になる。「自分が好きな場面を挙げられること」が面白い小説の共通点。それをどう書くか。
2024/01/27
くさてる
書評家として活躍している著者が小説を書く人の参考になる小説の名場面を収録し、解説した内容。紹介されている小説はおそらく(未読のものが多いので)どれも名作で、取り上げられている場面も名場面なのだろうけど……。小説技法の解説というより、著者が「ここがいいよね!」「ここわたし好き!」と言い続けているのをただ読まされているような印象でした。テクニカルな内容じゃなく、オタクにぐっとくるような小説の書き方の本を、と著者は書いているけれど、やっぱり、ぐっとくるにはまずテクニカルな技法とその解説が必要なんだと思います。
2023/06/22
Taka
文学少女力に恐れ入る。犬のかたちをしているもの。運命の二人?様々な関係。二人にしか理解できない。裏の意味。わかる、わからない部分の書き分け。確信をついた会話の応酬。師弟の距離のへただり。家族がわかちあっているもの。関係性の変化を描く。出会う前の孤独の描写が出会いを引き立てる。愛がなんだ。主観的の徹底。場面設定が小説に与えるもの。物語が転換するイベントの書き方。季節の変わり目の細部。細雪はハッピーエンドの予想を裏切る。わかりやすい面白いさ。知識の面白さを求めてばかりいるけど、文字世界の面白さを感じたくなる
2023/11/08
たか厨
2023年5月刊。2021年4月~2022年2月にかけ、WEB連載された記事に加筆・訂正の上、書き下ろしを加え、書籍化。この筆者の本は初読み。書評家の筆者は「良い小説の条件は『名場面があること』」と定義。「作家志望者は、自作に名場面を作ると良い」として、お手本となるような「名場面」を、古今の日本作家の小説から筆者が厳選したのが本書だ。計25作の小説からの「名場面」(25作中、私の既読作は4作)を「何が描かれているか?」で大きく4つ(「さまざまな関係」「関係性の変化」「場面設定」「イベント」)に分類し(続)
2023/11/14
joyjoy
自分はどんな小説を面白いと思っているのか、どういう場面が好きなのか、分析?してみたくなった。本書では、創作の参考にするためという意図もあり、日本の書き手にしぼった名場面の紹介となっているが、自分が名場面としてすぐに思い浮かぶのは、海外の作品ばかり。で、自分の読書の偏りを感じるとともに、翻訳者さんたちありがとう、という気持ちにもなった。
2024/07/28
感想・レビューをもっと見る