詩経: 中国の古代歌謡 (中公新書 220)
詩経: 中国の古代歌謡 (中公新書 220) / 感想・レビュー
吟遊
詩経を万葉との比較で読むことに豊穣さを見出す。詩経を「恋愛詩」の多い「民謡」として捉えるため。それにしても「詩経学者」ではない、専門分化の細かくない博学の徒がこれを書き上げてしまう1970年。すごい時代と人だと思う。
2016/09/27
ゆうきなかもと
本書を読んで印象に残ったこと。完全に私自身の言葉で言うと「文学とは知識人が専らリードして発展するものである。しかし、革新は常に民衆の側から生まれ、それを知識人が洗練させて発展させる。」「日本の詩は古代から個人的な心情中心に表現する。一方、中国の詩の伝統は、社会性が大きなテーマとされる。それは民族の特質にも現れているようだ」「詩経の理解で難しいのは『興』という表現を理解することである。『興』は万葉集で言えば『枕詞』のようなもの」
2020/01/27
寝落ち6段
人はどうして歌を作ったのだろう。どこにでもある古代の詩歌。そこには自然への畏敬、神への奉納、日々の生活の感謝や祈りがあるのだろう。万葉集との比較も取り入れ、詩経の日本への影響や人心の共通点も浮かび上がらせた。現代では失われた感覚かもしれない。
2019/09/23
nakmas
冒頭の「柴」の話でほとんど満足してしまった。 詩経の「揚がれる水」、旧約聖書の「燃える柴」、(読んでいて思いついたことだが)桃太郎の柴刈り。柴は神への捧げものとして捉えると全てがつながる気がする。
2018/05/05
Masai
ほぼ流し読み。万葉集に影響を及ぼした視点で、憶良や赤人を引用し詩としての視点で解説。初めに万葉集をさっと見ておいた方がたのしめる。詩経は防人の歌や恋歌が含まれており、民俗学的な視点では参考になりそう。
2015/01/08
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