死をどう生きたか: 私の心に残る人びと (中公新書 686)
死をどう生きたか: 私の心に残る人びと (中公新書 686) / 感想・レビュー
megumiahuru
百歳を超えてなお現役医師として活躍中の日野原重明先生が看取られた方の数々。中には禅学者・鈴木大拙氏や石橋湛山元首相といった著名人もいれば、全く無名の人もいる。「死をどう生きたか」という題名のとおり、「死」は、人生の全てのメッキを剥いで、その人らしさを現す。その恐ろしさと素晴らしさ。誰もが迎える死-それが「生」を深めるまたとない機会でもあることが浮き彫りにされている。 それにしてもこの本の初版時(83年)に、日野原先生72歳。それから30年が経過している。70歳からが人生本番というバイタリティにただ脱帽!
2014/04/18
かっぱ
著者である日野原医師が務める聖路加国際病院で看取った人たちの中でも特に印象深かった人たちの最期の記録。キリスト教徒が多いせいか、神とともに逝くという気持ちで最期を迎えるためなのか、穏やかに死の受け入れができているように思えた。「死をどう生きたか」というタイトルには、死も生の中に含まれるものであって、死に様=生き様であることを現しているように感じられた。
2015/12/19
まろにしも
死を前に、信仰に支えられて平安の中で死を受容して旅立たれていく患者さんと日野原重明医師との交流。著者の文章の特徴だと思うが、この本全体が、静かで温かい平安に包まれている。
2019/03/02
くす
古本屋にて。筆者が立ち会った臨終に際して印象的だったものがシンプルに記されている。有名人も多いが、一般の患者さんの記載もある。有名か否かに関わらず、人には人生があって、その最後の場面までどう生きるのか、医療用語がわかりにくい節はあるが明確に書いた本というのはあまりないだろう。キリスト教の背景があるため所々に宗教色もあるが、価値観の押し付けなどはない。良い本だった。こういう本があるから古本屋に通うのをやめられないのだ
2019/07/21
okatake
30年以上前の著作です。 日野原さんが、臨床を引退後に書かれた本。40年以上の臨床経験の中、初めて看取った方や、初めて癌告知をされた方、両親や恩師、私たちから見たら歴史上の人物(鈴木大拙や石橋湛山、山田耕筰など)まで、それぞれの方の死にざま。 死ぬというとどうしても人生の最期、生きることが終わることとなってしまいますが、死ぬことは生きることなのですね。どう死ぬか、死に方はいろいろ、原因もいろいろですが、その方らしい、その方の生き方を反映した死に方をされるのです。恐れるよりもどう死を演出するかなのです。
2018/01/01
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