外国人による日本論の名著: ゴンチャロフからパンゲまで (中公新書 832)
外国人による日本論の名著: ゴンチャロフからパンゲまで (中公新書 832) / 感想・レビュー
tyfk
ロランバルト『表徴の帝国』を小林康夫がどう評してたか気になって確認。1987年か。ふーん、「云うまでもなく、それは外国人であるがゆえに可能な特権的な関係である。同様な関係を日本に対してもつ可能性をはじめから奪われているわれわれ日本人としては、われわれの知るこの国と一人の外国人とのあいだに、魅惑と愛とのこのように幸福な出会いが訪れたことを、幾分かの羨望を交えつつ、素直に喜ばなければならないだろう。」
2024/02/26
isao_key
明治維新前後から現在までの外国人による日本人論42篇を解説、紹介した本。手持ちの本で既読、未読あわせて10篇しかない。まず読んでみたいのが、中国の知日派3名の日本人論。3名とも漢籍につうじた当代の知識人であり、時代を読む確かな目を持っていた。特に戴李陶『日本人論』について『菊と刀』にも比肩し得る、ある面では凌駕する好著と絶賛している。他にはジョゼフ.C.グルー『日記』、マリウス.B.ジャンセン『坂本龍馬と明治維新』も再刊されたので読みたい。ただR.N.ベラー『徳川時代の宗教』が入っていなかったのが残念。
2013/07/11
にゃん吉
幕末以降昭和までの外国人が著した日本論の概要を紹介。欧米だけでなく、エジプト、インド、フィリピン、東アジア等の多様な地域の人々の日本論が紹介されているのが特色でしょうか。当時の日本の状況、著者の来日の有無、目的や、職業等の属性によって、日本に対する関心、捉える視点等も様々で興味深い。本書で紹介された著作には、翻訳がなかったり、入手しにくそうなものも多々あるようなのが残念です。クローデル「朝日の中の黒い鳥」については、ネットで見る限り、その後翻訳が出たようですが、既に絶版のようで、残念。
2020/04/04
壱萬参仟縁
42の外国人の日本に対する様々な印象書物に収め、まとめてあるの。例えば、E.S.モース『日本その日その日』は、「あくなき好奇心と物に驚く柔軟な心、また日本人なら当り前のこととして見逃してしまう庶民の生活文化のちょっとした事などの中にも驚くべきもの、すぐれたものを発見する外国人の目を持った」(p.115)人であった。このことは、地域振興で住民が見落としている地域資源発掘にも言える。相対化の視座を提供している。また、巻末の李御寧『「縮み」志向の日本人』も収録されており、講談社の英文と邦訳と合わせて味読したい。
2012/05/20
tiki
読んでみたい本を見つけるための本。コンパクトにまとめられている。
2009/04/05
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