群発自殺: 流行を防ぎ、模倣を止める (中公新書 1426)
群発自殺: 流行を防ぎ、模倣を止める (中公新書 1426) / 感想・レビュー
澤水月
98年刊なのにたった今の本として読める程普遍的。「自殺報道について考えた世代が十年ほどたつと取材現場を離れ…以前と同じようにセンセーショナルな報道、また群発自殺が起きる」…グサリ。自殺防止報道指針…美化しない、(遺書、場所、方法等)詳述しない、見出しに「自殺」と入れないなど浸透してきているようで前述現象で元の木阿弥か…。人民寺院や彗星/インターネット教集団自死のヘブンズゲート、ブランチダビディアンなどカルト、毎週少年自死事件、金門橋や樹海など統計や綿密な調査で読ませる。棺を担いだ友人に注意など極めて具体的
2014/05/18
うえ
「ウィーンの地下鉄は78年に営業を開始したが…自殺者数はごく限られたものにすぎなかった。…84年頃から地下鉄で自殺する人の数が急激に増え始めた。それは新聞が地下鉄での自殺についてセンセーショナルかつ詳細な記事を掲載するようになった時期と一致していた…なお地下鉄による自殺者数は急激に増えたが、この間にウィーンにける自殺者の総数には大きな変化はなかった」。自殺を誘発する可能性の高い報道の仕方○自殺の手段を非常に詳しく報ずる○自殺を過度にロマンチックに報ずる○直前に起きた出来事と…関係を極端に単純化して報道する
2017/01/22
おらひらお
1998年初版。10年以上前の本ですが、今日でも変更の必要感じさせない内容。マスメディアの報道と自殺の連鎖の関連性を指摘し、報道のあり方を提言している。最近の練炭自殺や硫化水素自殺の報道などを振り返ると、著者の指摘の正しさを確認できますね。
2011/10/25
くさてる
痛ましい事件が起こった現在こそ読まれるべき本。自殺が他の自殺を生んでいくメカニズムと予防措置について、具体例も豊富に語っている。センセーショナルになりがちな内容を、冷静な語り口で分析していて分かりやすい。98年発行の本だが、いま、この時期に緊急出版された内容といってもおかしくないくらいに使える、つまりずっと問題点が改善されていないということを思い知らされる内容だった。
2012/08/01
新橋九段
古い本だが未だに通用する良著。それだけ日本の対策が遅れているということでもあるけれど。実例も豊富で興味を惹かれる。
2017/02/03
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