現代の民話: あなたも語り手、わたしも語り手 (中公新書 1550)
現代の民話: あなたも語り手、わたしも語り手 (中公新書 1550) / 感想・レビュー
あすなろ
現代民話の意味を私は言い続ける。そんな松谷みよ子さんの本。もう少し違う内容なのかなと気軽に手に取った図書館本なのであるが、存外ヘビー級であった。僕は生憎あまり気を惹かれる内容ではなかったと言うことであるが、松谷さんの真摯なる研究心には驚いたのである。単なる収集物では民話はないという点である。相当なる博識に裏付けられ世に出されている。話に耳を傾け、集め置き、文学の領域で表現している文学作品なのだ、と。軽々に児童が楽しむものだと扱ってはならないと思うのである。
2017/07/16
トゥクトゥク
直前のレビューが自分とは、なんとも寂しい。この本はなにか惹かれます。民話というと、旧時代の人たちが残した非科学的なお話というイメージを持っている人も多いと思いますが、口承とはいえ、同じ人間が語っていることに違いはなく、だったら現代にだって民話はあるのではという内容。この説が魅力的。ガルシア・マルケスの短編の解説で、民話のファンタジーさは口承が途切れず語りつがれるための技術だ、みたいな文章を読みましたが、その説も魅力的。いま私が民話に惹かれるのはこの2つの本からです。あと、遠野物語。
2014/07/11
Gen Kato
怪談・都市伝説・おのおのの体験談など、すべてが「民話」であると、定義がとても広い。個人を通して語られる以上、幻想や誇張が付加されることは避けえないのだから、むしろそこをくみ取ったうえで「語り継ぐ」意味を考えるべきなのかも。
2015/09/16
トゥクトゥク
そう思って見渡すと、自分の周りにもけっこう民話の種がごろごろ落ちている気もする。最近でいえば、、、小さいおじさんとか??
2014/05/01
梁
民話というものは、昔話の河童や狸だけではなく、戦時中の英霊や現代の学校の怪談までである。伝えていくべきことは、たくさんあるのではないか。中で最も興味深く思ったのは、「公害を知らせにきた河童」の話。
2012/05/19
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