クーデターの技術 (中公選書 21)
クーデターの技術 (中公選書 21) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
1931年初出。いかなる手段も自由を圧殺するものとなりうるし、またそれと同様にいかんる手段も自由を防衛するものともなりうる(51頁)。スターリンの強みは、物事に動じない態度と、忍耐力(116頁)。ボナパルトの誤りの中でもっとも重大なものは、ブリュメール18日のクーデター計画を、合法性の尊重と議会手続のメカニズムのうえに構築したこと(194頁)。ボナパルトの戦術の基本原則:議会を適用領域として選択肢、時には暴力を用いることがあっても、合法性を尊重していくこと(222頁)。
2016/05/23
funuu
クーデターとは、「主として、軍事的な手段で国体を急激に変更する試み」をいう。「クーデターを成功させるためにには、軍隊ないしその一部の動員(とその中立化)、主要国家の支持(たとえば米国中央情報局の支持ないし支持的共謀などを含む)を基礎に、大統領府の占領、空港掌握、放送局掌握、銀行掌握が必要といわれる。空港なくして制空権なし、である。ナポレオン、ムッソリーニ、トロッキーの例が出てくる。現代ではインターネットを押さえるのが重要だろう。2.2.6事件は天皇に対するテロとして葬られた。奥の深い名著だと思います。
2017/12/10
たまご
ちょっと前に読んでてタイトルも忘れていたのを,みつけて忘れないように登録. 非常に興味深く,面白い.
2017/03/23
さえきかずひこ
仏革命を議会手続きを必要としたクーデタと位置づけ、革命と見なされる暴力による権力奪取の運動を、戦術的視点から分析する一冊。ロシア革命におけるキイパーソンをトロツキーと見定め評価した上、その戦術を(元)マルキストのムソリーニが欧州で受け継いだと論じる。またムソリーニを徹底的な暴力革命主義者として迫力をもって描写するのと対比的に粗暴さと臆病さを併せ持つヒトラーをまがいものとしてこき下ろしている。叙述に散漫さが見られるが、1931年時点で突撃隊がヒトラーにとって障害である点を指摘しているのは慧眼と言えるだろう。
2019/09/13
たまご
「人生で影響を受けた本100冊」コミュニティのための本棚登録で. クーデターも,技術です.身につけられるんです…?
2020/03/15
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