「愛国」問答―これは「ぷちナショナリズム」なのか (中公新書ラクレ87)
「愛国」問答―これは「ぷちナショナリズム」なのか (中公新書ラクレ87) / 感想・レビュー
harass
香山の「ぷちナショナリズム」から一年後にでた新書(2003)。保守の論客福田和也に当時の日本文化や論壇を中心に米国欧州も含めた講義をしてもらい、香山が質問していく。「ぷちナショ」を未読なのだがあまりつながりは無いのかもしれない。福田による保守論壇の内情など、なかなか面白い。しかしまあ、うすうす分かっていたことだが、香山の本はもう読まなくていいなと確信した。ちょっとついていけないところがある。
2017/07/20
tolucky1962
最近特に愛国心を強要したがる議論が目立つが、著者はこの頃(03年)から疑問を訴えています。序論で語る、勝ち組と負け組の両方の保守化、特に負け組の保守化は謎です。また、著者らはサブカルや論壇誌なども詳しく語っていてますが、知らないとついていけない話も多い。対談なので話が広がる傾向にあり、まとまったものではないが、香山さんの考えが見て取れる。
2017/04/27
白義
ぷちナショが売れたのを受けて企画された対談ですね。右と左に対立してるようで、どちらもいかにも陰影も屈折もない単純ナショナリズムへの違和感は共有しているからかわりとスムーズに対談は進んでいます。香山さんが感覚でとらえたものをトスして福田さんがコメントを加える、という感じで論壇話やサブカル話もあって前著よりはさすがに濃いですね。ぷちナショナリズムという現象への視点自体はよかったと前作の感想に書きましたがこちらのほうがまだ緩いですが違和感を深めたのはよかった。こういう話しはやはりアメリカ論に帰着しますね
2011/07/26
nowhereman134
私もどちらかと言えば香山さんのスタンスだから、彼女の問題意識はわかる。*ただ、自分の立場(反ぷちナショナリズム?)の正当性を説明なしに前提としているので、今読むのは少しきつい。*この本が出版された2003年当時から、やはり世の中のスタンスが変化したせいだろうか。*以前なら、社会問題についてそれなりに考える人は、「左翼的」になる人が多数だった。*今は、考える人ほど「右翼的」になるような気もする。
2012/02/24
readtuktuk
香山リカの『ぷちナショナリズム症候群』(2002)の続編にあたる、香山リカと福田和也の対談(2003)。日本の新たなナショナリズムは「勝ち組」と「負け組」の二方から来ているというのが前書。ホワイトカラーの保守化、中間層の無関心、若者、持たざる者たちがその不満のやり場をナショナリズムに持ち込むしかないという構造。それに対する香山リカの「違和感」は共感できる。〈中学生とか高校生とかで、ものを考えたいとか、少しこじゃれた難しいことを見てみたいという子が、背伸びして読む本が『ゴーマニズム宣言』だったりする。昔だっ
2008/10/27
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