少年犯罪被害者遺族 (中公新書ラクレ 234)
少年犯罪被害者遺族 (中公新書ラクレ 234) / 感想・レビュー
みなみ
少年犯罪被害者遺族とノンフィクション・ライターである筆者の対話集。被害者や遺族は何を求めているのか、被害者遺族の想いがストレートに語られる。もちろん、被害者遺族の求める制度改正等はすぐには実現は難しいかもしれないが、世論形成のためのマスコミの役割の大きさを改めて感じた。被害者の立場に立って考えるという想像力の大切さ、難しさを感じながら読了。
2018/07/22
まんゆう
少年犯罪被害者遺族の声を記者との対談から書籍化されたもの。2006年に出されたものなので少し古いが、被害者遺族の声を聴くには充分だった。少年犯罪の被害者遺族に迫られる現実は、加害少年を守るために真実を知らされない現状や、加害少年に優位された少年法の壁、赦しを求める一般大衆からの期待…等あまりにも過酷なものだった。少し調べてみたが、未だに少年法では「和やかな雰囲気」を求めていることに違和感を覚える。加害者が少年であるからこそ、更生は贖罪意識を取り除くことではなく植え付けることの方が正しいのだ。
2018/05/31
鈴木律
当事者の生の声は重い。被害者と加害者がお互いに歩み寄ることで先に進む、というプログラムの話を以前読んだけれど、実際の被害者側はそんなことは無理だし、許すことがいい被害者というイメージが作られることにも納得がいかない、というところを読んで、その気持ちに寄り添うことが大事と思った。考えてみると本当にひどい話で、被害者、特に少年犯罪被害者はもっと手厚く補償されてしかるべき。少年院の更正プログラムなどが少しずつ変化してきているとのこと、制度改革に期待。
2021/08/12
も
まず思ったことは、「知らないことを軽々しく論じるべきではない」ということ。被害者・遺族から見る少年法や裁判等の手続きそのものの問題についてはじめて触れた。なんとも難しい。いろいろと感じたことはあるけどうまく言語化できない。
2019/07/14
honmakainaa
被害者遺族との対談形式。タイトルかや帯から想像するような、感情に訴えかけるだけの本ではない。四者四様に、現行制度に対する理解を示したうえで、納得できない点を述べている。考えさせられた。いい意味で意外。
2011/06/10
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