世代の痛み - 団塊ジュニアから団塊への質問状 (中公新書ラクレ 598)
世代の痛み - 団塊ジュニアから団塊への質問状 (中公新書ラクレ 598) / 感想・レビュー
booklight
世代論に興味がある。団塊と団塊ジュニア世代は、親子世代なので、表裏一体だ。学生運動を肯定的にみて、なぜ闘争しないとけしかける上野に、思いもつかない風な雨宮。上の世代を見て下の世代は学習する。闘争など選択肢にさえないのに、気づいていない。学生運動から右翼、左翼、ウーマンリブ、フェニミズム、セクハラ、貧困、引きこもり、新興宗教まで、それぞれ率直に語られ皮膚感覚でざっくり理解できのがよかった。フリーター、引きこもり、自己責任のジュニア世代は、多数派でありながら社会的には無力。この先どうなっていくのだろうか。
2019/09/07
ひと
2017年刊、40代に入った団塊ジュニア世代の雨宮氏と団塊世代の女性学で有名な上野先生の対談本。どちらの方の著作も読んだことはなく初見。自分も団塊世代を親に持つ段階ジュニアなので、テーマに惹かれた。数は多いのに、見捨てられ、追い込まれ、豊かになった社会の中で貧困と世代間・世代内格差に苦しめられたのが団塊ジュニアなのだと再認識。パラサイト等で豊かな団塊親に守られて見えなくされている部分もありそうで、要介護が増えてくるこれから、新たな課題も出てくるのではないかと心配。過去の話ではなく、現在進行形の苦しみ。
2023/11/07
踊る猫
良く言えば良識的で、悪く言えば微温的。ロスジェネの代表格とフェミニストに依る対談なのだけれど、貧乏に困って自己責任のプレッシャーの中自死を強いられるまで追い詰められたロスジェネと、老後が心配で仕方がない団塊の世代が相互に困り事を話し合い、そこから先をどうするかをはっきり提言出来ていない印象を受ける。あまりにも現実離れした主張をする責任を回避した誠実さ故と考えるか、それともそのあたり野心が足りないと見るか。第七章の議論、弱者の連帯についての話をもっと聞きたかった。誰もが「弱者」に転落する時代、道はあるはずだ
2018/01/06
秋 眉雄
『団塊世代の親たちより団塊世代のほうがおしなべて学歴が高い。この学歴の高さは、能力とは関係ありません。単に、大学進学率が高まったというだけの話。そして、おしなべて親の世代より経済階層が高い。親世代より、いい生活をしているわけですが、これも別に親のおかげでもなければ、自分の努力のせいでもない。高度成長期だったので社会全体が上り坂で、豊かになった、ということです。ところがそこを勘違いしているから、自分たちの子どもに対して、「オレたちにできたんだから、お前たちもできて当然だろう」と思っている。/上野千鶴子』
2022/09/24
団塊シニア
正規雇用率、婚姻率、婚姻の安定性いずれも団塊世代のほうが恵まれてることは本書で指摘してるとうり間違いない、しかし長寿化で団塊世代の親の介護という問題を団塊世代が抱えて重くのしかかってることを忘れて欲しくないというのが団塊世代として率直な感想である。
2018/09/24
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