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公安調査庁-情報コミュニティーの新たな地殻変動 (中公新書ラクレ 692)

公安調査庁-情報コミュニティーの新たな地殻変動 (中公新書ラクレ 692)

公安調査庁-情報コミュニティーの新たな地殻変動 (中公新書ラクレ 692)

作家
手嶋龍一
佐藤優
出版社
中央公論新社
発売日
2020-07-08
ISBN
9784121506924
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公安調査庁-情報コミュニティーの新たな地殻変動 (中公新書ラクレ 692) / 感想・レビュー

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yamatoshiuruhashi

公安調査庁あるいは情報ということについて、手嶋龍一と佐藤優の対談。「公安調査庁」というと暗躍組織のように考えられやすいが、まさに「情報」を集めるだけの組織であり「暗躍」するものではない。その一点を明確にすることが同様の組織を題材に取った「煽り本」とは一線を画す。集めた情報をどう活用するかは政府中枢の考えることであり逮捕権すら持たない。田中真紀子外相時代の金正男不正入国摘発の対処が最初に語られる。情報を集めることは非常に重要なこと、その集める人を育てることは難しい。「情報」は平和国家にこそ必要なものだ。

2021/01/14

Isamash

2020年出版の手嶋龍一と佐藤優の対談本。何時もながら佐藤氏のもたらす初耳情報に驚かされる。150億円の予算規模の公安調査庁の存在自体が初耳でそのルーツが陸軍中野学校にあるという話は驚愕。その系譜にあるという戦後の有末機関、服部機関、大橋武夫事務所の存在も初耳。佐藤によれば、北村滋、今井直哉,和泉洋人、飯島勲も同様な情報機関を有するという。また佐藤氏によるゾルゲ二重スパイ(独とソ連)説にもビックリ。英国BBCが、人気TV番組を通じて、諜報部門の必要性を英国民に啓蒙しているというのが二人の共通の認識らしい。

2023/02/01

CTC

20年7月の中公新書ラクレ新刊。公安調査庁は定員1,660人、予算150億の官庁で、職員には事務要員や階級がなく、全員が調査官という(彼らは逮捕権を持たない)。何故中公新書でなくラクレ?と思ったらば、体系的に語れるほど詳らかではないというわけだ。佐藤優と手嶋龍一の対談でインテリジェンス全般の話として織り交ぜて滲ませる程度しかテーマにしようがないという事だろう。手嶋さんは佐藤さんのことをいちいち“佐藤ラスプーチン”と呼んだり、TVドラマの話をするほど柔らかい対談だが…日本の各情報機関の問題が知られる1冊。

2021/03/21

turtle

「公安調査庁」も「公安警察」も同じなのかと思っていましたが、全く別物でした。 この本で紹介されている調査庁の「内外情勢の回顧と展望」を読んでみましたが、確かに日本が内外に抱えるリスク要因について簡潔に説明されていて、頭の良い人たちが作っているのだなぁ、と実感しました。 国内ではオウム真理教や共産党といった危険な団体をしっかりウォッチし続けていることがわかりました。

2021/02/01

田中峰和

20年前に金正男が入国審査所で捕まった。偶然ではなく事前に公安調査庁に情報が流れていたらしい。その情報元は英国のMI6だという。ジェームズ・ボンドで有名なあの情報機関である。せっかく正男を勾留できたのに、腫れ物を触るように国外に追い出したのは、当時の田中真紀子外務大臣のせいだとされる。正男を人質に交渉すれば、拉致被害者奪還に成功したはずだと。その16年後に、正男はクアラルンプールの空港で暗殺される。CIAの情報元として殺害された正男は、弟の金正恩にとっては裏切者。CIAとMI6が不仲というのもの面白い。

2022/09/27

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