なぜ人に会うのはつらいのか-メンタルをすり減らさない38のヒント (中公新書ラクレ 750)
なぜ人に会うのはつらいのか-メンタルをすり減らさない38のヒント (中公新書ラクレ 750) / 感想・レビュー
やすらぎ
自粛。不要不急。全てをコロナに一元化されてしまった時間は過ぎ去った。悩みは日々深まっていった。対面が前提の社会に問題を突きつけた。容易く弱音を吐ける場所を喪失して抱え込んだ。依存症は孤立の病という。結局、コロナ禍で人は何を感じ何を得たのかを考察する。偏見が多い社会ほど自己批判が増え、引きこもる。言うなれば鬼。完全に退治するのではなく共存を目指すものである。誰かと話せば楽になると分かっているのに億劫になる人々。そして欲望は減衰する。その先に進む気力は何時何処から生まれるのか。少しずつでも心の修復に向かおう。
2023/06/10
ネギっ子gen
【ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよう】コロナ禍のため、完全リモートの対談本。「会ったほうが、話が早い」のはなぜか。会うことが「暴力」だから。斎藤は言う。<私自身、対人恐怖症気味、発達障害気味の人間で、人と会うのは基本的に苦痛なのです。約束の時間が近づくと、妙に緊張したり不安になったりもします。ところが、不思議なことに、実際に会って話をすると、とたんに心が楽になる。毎回この繰り返しで、会えば楽になるのが分かっているのに、会うまでは苦痛を感じたりするわけです>と。確かに!⇒
2023/03/22
zag2
コロナ禍での経験をもとに、人と会うことの意味を問い直す本という理解で読んだのだが、さすがにお二人の対談だけあって、脳科学ブームの危険性まで話が及び納得することの多々ある一冊だった。佐藤さんの「あとがき」に斎藤さんは「対話ができる」人とあったが、マスコミにせよ身の回りの会話にせよ、モノローグを交互に発しているだけで、対話になっていないことが極めて多い。対話の意味もあわせて考えさせられた。
2022/08/10
Kanonlicht
コロナによって「国民総ひきこもり」を経験した日本が、この経験を生かして社会をどう変えていかなければいけないかを、精神医学や神学を交えながら分析している。コミュニティと自殺の関係性や、脳と心の相違、日本式学校教育のはらむ問題など興味深いテーマが次々出てきて、またどれもが自分の身に置き換えられるような話なのでとても考えさせられた。日本人は「逃げない」ことに価値を置きすぎているという意見には納得。全員一律にこうせよというのではなく、その人にとって快適な人間関係を許容する、ハイブリッドな社会が実現できたらいいな。
2022/02/03
minami
私は人見知りだったり社交性があるとは思っていない。ちょっと引きこもり気味。なのに仕事も対人、PTAとか人と関わることが多くて、つい手に取ってしまった。コロナ禍で行動が制限され生活が一変して、不安で戸惑いながら生活していたあの頃。精神科医の斎藤先生と作家の佐藤さんの対談で読みやすかった。人に積極的に会いたい人、一人でいたい人、その中間くらい。私は中間くらいかな。人と会う事で不確実性は高まる。会ってみないと分からない事も確かにあるし会話も楽しい。一人でいるか人と会うか、自分なりのいいバランスが大切だと思った。
2023/12/05
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