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陰翳礼讃/東京をおもう (中公クラシックス J 5)

陰翳礼讃/東京をおもう (中公クラシックス J 5)

陰翳礼讃/東京をおもう (中公クラシックス J 5)

作家
谷崎潤一郎
出版社
中央公論新社
発売日
2002-01-10
ISBN
9784121600233
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陰翳礼讃/東京をおもう (中公クラシックス J 5) / 感想・レビュー

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kumonosuke

小説よりも散文の方が良いのではないかと感じた。鋭い洞察力を100%描きとどめる文章の完璧さ、どの一行一行も素晴らしいと思った。東京、大阪の比較をしているところが面白い、大震災以前の江戸の情景が残念ながら全く想像も出来ない。

2014/07/10

いのふみ

自分が書いたみたいにしっくりくる。観察が鋭いのは当然として、主張は強いのに逆の意見にも目配せがしてあったり、自分の側を批評したりしているところに、バランス感覚というか、格の違いを感じさせる。谷崎が関東大震災をきっかけに関西移住をし、却って喪われた東京なるものを見出し、それを現代のわれわれが読み、却って真新しさや衝撃を見出す、という重層構造。

2017/12/17

isao_key

雑誌、新聞に発表された評論が10篇収めらる。中でも昭和8年12月、昭和9年1月に発表された「陰翳礼讃」は、日本建築や日本人の美意識について述べた芸術論として評価が高い。同じく日本人の美意識を鮮やかに捉えた『いきの構造』は昭和5年1,2月、ブルーノ・タウト『ニッポン』の初版が昭和9年に発行されており、この時期日本論についての記述が多い。日本家屋の薄暗さの中に美の調和を認め、論じた本論は、日本人が不便で、遅れていると思いがちな面に価値を認めた着眼点と筆致には恐れ入る。厠が日本家屋で一番風流だとの指摘も鋭い。

2015/10/25

ユーリ

これに書かれている日本人の精神性、藝術・エンターテイメントの好みは、今でも通じるものがあると思う。仰ぎ見るものよりも、もたれ掛かれるものがいい、とか。色々勉強になりました。 陰翳礼賛を読んで思い出したのは、何故かロココの宮殿。あの金ピカも現代の証明に照らし出されると下品だけど、暗い夜に蝋燭の灯りでちらちらと照らされたら綺麗なんだろうなと思った。

2011/07/21

つんこ

随筆集。この男だけは!!と思うこと多数。だが普通の神経だと言えないこともズバズバ言ってのけるので、小気味良く、文章にはリズムがあり読み進めてしまう。極論を断定的に書いているため、自らはどう考えるのか、何を違和感として感じているのかの整理ができる。「旅のいろいろ」のなかの東海道線の記述は同感。美意識を余すことなく言葉で伝えきっているところは見事すぎて、この男だけは!と思わせながらも繰り返し読ませてしまう。許せん男ではあるけれど、好きか嫌いかと聞かれれば好き、相当好き。この夏はこの一冊を持ち歩きました。

2019/08/26

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