高橋是清 復刻版: 財政家の数奇な生涯 (中公新書 181)
高橋是清 復刻版: 財政家の数奇な生涯 (中公新書 181) / 感想・レビュー
糜竺(びじく)
戦前に生きた高橋是清の人生は、読んでて興味深いものでした。若い頃は、海外で奴隷になってしまったり、ペルーで銀山開発に失敗したりと色々経験しています。しかし、持ち前の楽観性や純情さで、試練を乗り越えて、総理大臣や、何度も大蔵大臣となって手腕を振るう様は、非常に興味深かったです。晩年は、軍事予算の膨張に抗した結果、二・二六事件で暗殺されてしまいますが、彼の生き様は色々学べる点が多くありました。ただ、この本は初版昭和44年と古く、書き方が少し読みにくくて難しく感じました。けど、色々勉強になりました。
2013/09/20
mazda
私生児として生まれ、仙台の足軽のうちに養子として「拾われた」高橋。そんな幼児期の影は、彼のイメージにはなかったかな?見た目がぷっくりしていて豪快な感じがあるせいか、とても育ちがいいように見えた。なんだか、とても親近感が湧いた。
2013/03/18
MAT-TUN
痛快な書物。痛快な人生。高橋是清がこんなにも魅力的な人物とはしらなかった。有能で勤勉であり無欲、無邪気、無私の人。安政元年(1854年)に生まれ、11歳でヘボン博士(ヘボン式ローマ字で著名)についてみっちり英語の修行。仙台藩の小姓として渡米してサンフランシスコに滞在中に、奴隷に売られたり。そのうち明治維新がおきたのでこっそり日本に帰ってきて潜伏したり。その後、仲間と一緒に始めた予備校が今の開成高校。特許制度を日本に導入し、財政家として名声を得た。失敗も沢山しているが成功も多い。自伝も読んでみたい。
2013/02/23
わちよ
大正~昭和にかけて活躍した政治家の一生。2.26事件で斃れたその生涯、金融の大波をどう乗り越えたのか、アベノミクスと相まって興味があり読んだ。財政家としての高橋氏のことより、結末を迎えた2.26事件への関心が深まった。
2013/07/28
unterwelt
大正から昭和にかけて大蔵大臣として活躍した高橋是清の生涯や政策を書いている。一定の評価はしつつも「昭和金融恐慌は自分で蒔いた種を自分で刈ったに過ぎない」と批判もしており、対象に対してべったりとしていない感じがある。ただ当時の時代状況や財政政策に詳しくないためか、政治家になるまでの前半生の部分の方が面白く読めた。
2024/03/31
感想・レビューをもっと見る