ポー名作集 (中公文庫 C 4)
ポー名作集 (中公文庫 C 4) / 感想・レビュー
ほりん
実家から譲り受けた一冊で昭和48年発行。ただでさえ怖い表紙がさらにおどろおどろしくなっていて,しばらく手が出なかった。エドガー・ポーの短編集。水も漏らさぬような緻密な文章で読者をたった一つの結末へ導く推理ものと,ストーリーを知っていてもゾクッとするような怪奇ものの両方が入っている。丸谷才一の訳が少し古風なので最初は読むのに骨が折れたが,「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」など,陰鬱な雰囲気の話にはすごく合っていると思う。怖かった!
2015/04/28
こばまり
代表作を丸谷才一氏の訳で。青空文庫版がどうのと言う気はありませんが、丸谷版は気味悪さはそのままに、登場人物がゆらりと立ち上がるような躍動感。ジャケがこれまたかっこよくて、モチーフは「黒猫」から。思わずデビールマーーーーン!と叫びたくなります。
2014/02/05
ゆうげん
表紙が怖い!論理的に展開される推理小説から始まり、だんだんと幻想と狂気の世界に変わっていく。アシャー館の崩壊は、古い館の荒廃した雰囲気と滅びの予感が怖さと同時に美しくもあった。
2010/02/08
水戸
衝撃。え? そんなこと……ある時代なんだ⁈ 謎解きの思考の流れが圧巻。情景描写が淡々としている感じなのに感覚的なものが加味されて、凄みがありました。
2021/12/04
山更幽
推理小説の原型、雛型を読みたい方はこれと言いたいが、訳文がなあ……古いしクドくて(笑) 訳出当時は名訳でも、時代が過ぎれば、どうなん? 謎解き部分で古クドだと、私は引っ掛かるので、同じ傾向の方には、他の訳本と2〜3頁読み比べてから購入してもいいんじゃなかろうかと。ポーの幻想怪奇作品なら、古くても味わいあってと思うんだがなあ。
2016/03/20
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