くるま椅子の歌 (中公文庫 A 19)
くるま椅子の歌 (中公文庫 A 19) / 感想・レビュー
marukuso
わが子が脊椎破裂で生まれてきた。糞尿は垂れ流し,水頭症,翻足を併発している。そんな障害児を持った親が日本の福祉の現状とどう関わっていくのか。障害児を受け入れる施設は不足しており,親同士が集まり,私設で預かり助け合わなければならなかった。そんな状況で親が子どもにかける期待だったり,育てていくという決断だったり,厳しい現実をどうやったら変えていけるのか考えさせられる。
2022/02/28
sachi
脊椎破裂の子を代一子として授かり、「さあ、頑張って育てるぞ!」となるまでの変化を綴った話。東京オリンピックの頃の話でした。その家庭も、時代も、昭和の日本そのままで、夫優先、障害者は不具の子と、言い切ってしまう時代。障害者や家族の苦悩が出ております。今でこそ、障害者でも、少数は学校に行ける時代ですが、日本も、もっと障害者が社会に出て、お金を稼ぎ、社会活動できる社会になるように、政府の支援があればいいのですが、税金で集められたお金は一体どこへ消えてるんだかな?
2013/02/09
Kawada Yoshihiko
水上勉さんの次女が二分脊椎症という病気であったことなどから身体障害者の問題に関心を持ち、『くるま椅子の歌』の他に、『拝啓池田総理大臣殿』等、社会福祉の遅れを告発する発言や文筆活動を行いました。『くるま椅子の歌』は、時代は東京オリンピックの高度経済成長に入る前、東京と岐阜県郡上が舞台となっています。共産党が広範な人たちと障害者施設建設の運動などに取りくんでいる姿も記述されている。障害をもった人たちが「座敷牢」と呼ばれる家の中で家族以外の人と会わずに暮らしていく。どんな人でも社会に役に立つと本書は、主張。
2012/11/20
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