KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

台所太平記 (中公文庫 A 1-7)

台所太平記 (中公文庫 A 1-7)

台所太平記 (中公文庫 A 1-7)

作家
谷崎潤一郎
出版社
中央公論新社
発売日
1974-04-10
ISBN
9784122000889
amazonで購入する

台所太平記 (中公文庫 A 1-7) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

優希

色々な女中さんが出てくるてんやわんやの話で楽しかったです。千倉家に雇われた女中列伝とも言えるでしょう。様々なエピソードが短編小説風に描かれていて、女中さんたちの人物像もしっかりとわかります。耽美というより喜劇が前面に出ています。好色な目はあるけれど、それ以上のことは起きません。どちらかというと人間くささが感じられました。どこか狂言回しのようで、スリルを感じる家の中の物語が面白いし、何もないのにエロスが漂うのも谷崎作品だなと思わされます。

2015/05/20

双海(ふたみ)

同性愛に陥る女中。「男性の精液は何処の薬局へ行ったら売っているんでしょう」と真顔で質問する女中。もちろん私の周りに女中はいないので想像するしかないのですが、大谷崎の筆にかかると女中がこうも生き生きと動き回るとは・・・!

2015/07/17

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

まーったくーーー!谷崎という人は!谷崎家にいた女中さん達についてのエッセイ的小説。美しい少女の女中、マリリン・モンローの様なバストを持った女中、手と足の裏が白く柔らかい女中達について、細やかに舐める様に観察している。人形の様に美しい女中を食事や外出に連れまわす。妻も夫が元気が出るように、美しい女中達を可愛がる。体の柔らかい女中達にアンマしてもらい、腰の上や足裏に乗ってもらう。現代ではパワハラセクハラもの。嫁ぎ先を世話してやり、その後は家族ぐるみで付き合う。女の園の中で谷崎は幸せそうである。

2019/05/29

そうたそ

★★★★☆ 相当面白かった。耽美的な作風、あるいは犯罪小説にはじまるミステリの先駆けのような作品で知られる谷崎がこういう人情味とユーモア溢れる作品も書いていたとは。発表時期としては著者の作家人生の後期に書かれたものであり円熟味ある文章が堪能できる点でも素晴らしい。著者自身の家での女中の変遷を題材にしたであろう作品で、今となっては廃れてしまった女中文化を窺い知る上で貴重な資料でもあるし、何より一癖も二癖もある個性豊かな女中たちのエピソードは読んでるだけで面白い。隠れた名作というに相応しい作品。

2019/02/04

ジュンコ

一軒の家の中で起きるあれこれをおもしろおかしく。この好色爺め!耽美度低め谷崎。シャン、シャン、シャンと手を打ちましてめでたくお開きになりました。

2016/05/05

感想・レビューをもっと見る