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切支丹の里 (中公文庫 A 16-3)

切支丹の里 (中公文庫 A 16-3)

切支丹の里 (中公文庫 A 16-3)

作家
遠藤周作
出版社
中央公論新社
発売日
1974-04-10
ISBN
9784122000919
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切支丹の里 (中公文庫 A 16-3) / 感想・レビュー

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優希

『沈黙』を書く上でのベースとなった記録のようです。エッセイと小説が混ざったような印象を受けました。殉教を赦されず、「ころび」となった人々が隠れキリシタンとして信仰を守ってきたというのが興味深かったです。禁教令が故に弱い立場となった信仰者たち。殉教の強さを持てずにころびキリシタンとならざるをえなかった思いが悔い改めとしてマリア信仰へと繋がる。どちらも形こそ違えど、信仰には変わりなかったのではないでしょうか。独自の信仰を守るように生きてきた人々のあり方は周作先生の描く信仰者の姿と重なるようでした。

2016/09/27

かおりんご

エッセイ半分、小説半分な感じ?沈黙を読んで、長崎へ旅し、この本に出会いました。この本を読むと、また沈黙を読んで、長崎に行きたくなります。今度は、五島や島原にも足を伸ばしたい。隠れは、すごく気になるので、勉強になりました。今度長崎に行くときは、この本をお供にします。

2016/09/04

AICHAN

図書館本。長崎や隠れ切支丹の里を訪れたエッセイ等。名作『沈黙』の原点。キリスト教が禁教になり江戸初期にはそれが過酷になり、「踏絵」が行われて多くの信者や宣教師が「転んだ」。転んだ「弱者」と転ばず殉教した「強者」のうち、著者は「弱者」に焦点を合わせる。どんな気持ちで「転んだ」のか。「転んだ」後、どんな気持ちで生涯を送ったのか。「弱者」を優しい目で見る。日本における切支丹の殉教や隠れ切支丹のことを思うと、日本人のある一面を見る気がする。死後の世界に救いを求める点だ。その点では切支丹は一向信徒と似ている。

2017/03/26

かおりんご

再読。長崎に行く前に読む。ここに書かれている場所や歴史が、以前より分かるようになっているから、読んでいて楽しい。深堀神父さんも知ってる!と思いながら読んだ。祈念坂は、絶対に行こうと思う。

2020/11/19

奏市

長崎、島原など切支丹が生活し弾圧された舞台を著者が訪れてのエッセイと短編。何気なく見ていた風景が四世紀前には独特な文化が栄えた地域もしくは怖ろしい処刑が行われた場だったのだと改めて知った。今までと違う目で各地を見てみたい。『沈黙』の執筆の前後で登場人物や情景のモチーフについても書かれており、またしばらくしたら同作も読みたい。実在し、棄教したフェレイラ神父にやはり興味持った。遠藤周作文学館の思索空間(休憩室)でこの本の一部を読めて、自分にとっては贅沢な時間を過ごせた。著者が通った寿司屋もぜひ一度行きたい。

2020/10/06

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