レイテ戦記 (下) (中公文庫)
レイテ戦記 (下) (中公文庫) / 感想・レビュー
yummyrin
「アイシャルリターン」の持つ意味。日本軍への掃討作戦をはじめ、勝敗が決した中フィリピン各地への作戦が進められる。解放ではなく再占領。そうした中で日米の兵士やフィリピン住民は生命を落とす。歴史書では軽く扱われ、あるいは語られぬ人一人ひとりの戦争が描かれる。兵士の命をコマように扱う軍上層部。読みながら、今の社会に投影することもたくさんあるなと感じる。
2017/04/18
CTC
下巻。西海岸への米軍上陸によって、遂に戦線崩壊。35軍司令部は急襲され混乱。各師団への転進の内示は「あとはよろしく頼む」のひと言…。これを後に作戦記録として整理合理化している訳だ。その後独断でレイテ脱出の師団長も、親補職の軍法会議は穏やかならず、と追認されたり…。 しかし現場は…転進命令の前に独断後退した1D49i横田大隊は、懲罰として無茶な攻撃を命ぜられ、横田大尉は部下に罪なしと単身突入戦死。が、部下も翌日突入させられ全滅と。。 兵士はよく戦った。米兵も。。一番の被害者は比島人だった。静かに本を閉じる。
2015/02/26
sine_wave
第二次世界大戦後の終盤におけるレイテ島での戦記である。その多くを資料から取っているので、ドラマのような生々しさはないが、内容は胸に迫る。対米戦の最後は若者を中心とした特攻隊による攻撃であった。膨大な量の読書となったので、メモをとりながらの奮闘となった。戦争を避け、平和を希求することは日本国民の最も大切なつとめであろう。
2016/11/20
モリータ
「補遺」にある、戦後25年まで情報を隠し通した陸海軍の「協力」に対するきつい皮肉。ペリリューや硫黄島で善戦できたのは小島嶼だったから、というのはその通りだと思うが、陸海空の大作戦を描くという行為も非常に苦しい作業だったに違いない。レイテ決戦の映画を硫黄島2部作レベルで作ってくれたらなぁと思うけど、(海空戦を除いても)ないやろなー(うがった見方やろけど、死傷者がほぼ同等だったから硫黄島が映画にできたってのはあると思う)。織田裕二の出てた「きけ、わだつみの声」がどれだけ気合い入ってるかやけど、うーん。
2012/05/29
くれの
もっと若い時分に読んでおけばよかった一冊です。今更ながらレイテ島を地図で確認し黙祷を捧げました。オバマ大統領が広島を訪問する前夜に本書で戦中の追体験ができたことでその歴史的意義の一端を知れたのが幸いです。
2016/05/16
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