ファウスト 悲劇第二部(下) (中公文庫)
ファウスト 悲劇第二部(下) (中公文庫) / 感想・レビュー
tieckP(ティークP)
第二部の(上・下)巻を潮出版の山下訳と比較しながら読んだ。どちらも名訳。手塚訳は読みやすさに加え、詩を多数訳してきた方だけあって、ゲーテの原文かくやと思わせるような言葉の美しさがときにある。出色のできなのは二部下巻に付された解説で、僕なりにここ数ヶ月ゲーテについて必死に考えて、ようやく捉えたつもりの勘所をびしばしと押さえていて、とても文庫の付属とは思えない。なお『結局キリスト教か』という読みは(僕も初読ではそう思ったけど)手塚が言うとおり読み違いで、もっと普遍的な宗教や信念に開かれた結末だった。感動した。
2013/09/22
からくり
文字通り神々しい終幕だった。やはり結局はキリスト教に至るのかと思うと、複雑な気持ちになる。
2009/09/05
えーた
神話に関する知識が浅いためかやはり再読が必要な感じはしたが、それでも物語の終わり方は壮大であり、鳥肌ものであった。ぼんやりでも名作と言われる所以を感じることができる。
2013/03/02
有無(ari-nashi)
周囲に目を向けず、憂いを否定したため盲目になってしまうファウスト。それによって偽物の存在意義を手に入れ、勘違いのまま満たされる。そして最期に昔破滅させた女の愛によって、その魂は救われる。結局、メフィストはファウスト個人というより、神様との賭けに負けたという感じがした。悲劇なんだか喜劇なんだか。
2011/06/16
感想・レビューをもっと見る