寒椿 (中公文庫 A 108-3)
寒椿 (中公文庫 A 108-3) / 感想・レビュー
HINOCH1
宮尾登美子らしい、女性の一代記を描いた作品。本書は、高知=土佐出身の4人の女性の生涯を綴っており、それぞれ、親に金の為に売られ、幼いうちから芸妓あるいは娼妓となって生きていかざるを得ない様子を戦前戦中戦後を通して語られている。ある者は遠く満洲まで働きに出されその地で戦後を迎えたりする。第二次世界大戦時の、日本人女性の生き方を垣間見ることが出来る。いわゆる裏社会的な内容から、現在では、なかなかこういう題材の作品は出てこないだろうなぁとも思う。
2022/08/06
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