戦争童話集 (中公文庫 A 15-9)
戦争童話集 (中公文庫 A 15-9) / 感想・レビュー
TSUBASA
体長20メートルのクジラが、自らよりも体の大きい潜水艦を仲間と勘違いして寄り添う『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話』、日本の秘密兵器である風船爆弾を作った学生たちの徒労感が空しい『八月の風船』など全12話収録。どの作品も「昭和二十年、八月十五日」と始まるのが印象的。野坂昭如というと『火垂るの墓』が有名だし、実体験を記録した長編などあるようだけど、それらよりも洗練された形で童話に落としこまれている。反戦へのメッセージはもちろんあるけども、ことさらに飾り立てない純粋な祈りが描かれていると思う。
2016/08/15
モリータ
◆初出1971年1-12月『婦人公論』連載、単行本1975年中央公論社刊、文庫(本書)1980年中公文庫刊。◆「火垂るの墓」を教材とすべく関連書・積読を消化。野坂の風貌と人柄を知らない(TVに出ていた頃はまだ生まれていない/物心ついていない)学生さんには、我々が持っている「火垂るの墓」や本作と、野坂のコミカルさ/いかがわしさとのギャップは伝えにくい。しかしそこを配慮しないと「教育的作品」のむやみな押しつけになってしまうだろう。今で言うところの所ジョージや又吉直樹みたいな人、とでも言うか…。
2022/11/25
食パン
好きです。でも、舞台背景的に避けられない雰囲気、内容だと分かってても読むのが苦しい。小さい頃、おばあちゃんに戦時中の話をしてもらったことを思い出しました。
2011/11/02
きりだんご⭐️新潮部
●家にあるのを再読
2009/10/14
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