遊び時間 (中公文庫 A 103-3)
遊び時間 (中公文庫 A 103-3) / 感想・レビュー
うえ
「折口信夫」所収。「折口の方法のかういふ性格は、学問の方法としては不充分きはまるものかもしれない…さういふ彼の方法の原型は、やはり直接には本居宣長なのかもしれない…彼は啄木の伝記について何か知つてゐたわけではなからう。ただ作品自体から出発したのだらう。つまりそこにはテクストを非常に精細に読む態度があつたのだらうとぼくは思ふ。テクストを読み、それを芯にして自分の夢(それがつまり批評なのだが)を織つてしまへば、もうそれ以上、改まつた形で人に示すことにはあまり関心がなかつたのではないか」
2017/12/09
JVSTINVS
遊びがまだ高雅さをもてた時代の郷愁で、丸谷才一から離れられない私がいる。もちろんそのころには生まれてすらいないのだけれど。
2022/04/22
綾瀬恵理@稚読者
やはり私は「賢い人」が好きなやうで、このような多岐にわたるエッセイを面白いと思うやうである。
2019/08/10
ataka
前半は文学的エッセイ。後半は、書評・映画テレビ評・雑談。全体的に少し重め。「作家は彼じしんの、僅か数十年の生活体験にもとづいて作品を書くと信じてゐるのだらうか? しかしそれは単純で傲慢な考へ方と言はねばならぬ。作家は、人類数千年の文学史の伝統の力によつて作品を書くことができるのである」p.148
2011/05/24
丰
Y-20
2001/10/10
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