ふるあめりかに袖はぬらさじ (中公文庫 あ 32-6)
ふるあめりかに袖はぬらさじ (中公文庫 あ 32-6) / 感想・レビュー
なめこ
妙なタイトルは実存した女郎の辞世の句らしい。話がどうなるかどうなるかと読み進めていったら、終わり!? というあっけなさではある。しかし自分が読みやすいエンターテイメントに慣れすぎてるだけなんだろうな。どんでん返しも急転直下もない、女と男がいて、社会と世間がある、それだけ。ラストに降る雨が沁みる。
2014/12/21
さだはる
2021年47冊目。玉三郎さん主演のシネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を観る予定があったので、その前に急いで読みました。昔、NHKの舞台中継をチラッと観てからずっと観てみたかった作品。本だけでも笑える場面が多くて、気に入りましたが、映画もすごく良かったです。お園さん最高!っす。「華岡青洲の妻」は方言が読みづらく、内容もドロドロしがちだったので、若干引き気味で読了。「ふるあめりかに袖はぬらさじ」だけで満足でした。
2021/11/12
月夜
有吉佐和子氏の作品は たぶん ほとんど読んでいる。しかし この本は手を出さなかった。舞台上で話が進むので 読みにくいから 嫌った。この度 玉三郎が主演するというので話題となり 手に取ることにした。氏の本はしばらくぶりだ。最近新しい人達のものばかり読んでいたけれど 彼女は やはり うまい。同じ本に「華岡青洲の妻」も舞台形式であったが 再読した。氏のほかの作品を 改めて 読もうかと思う。
2012/07/23
rinpei
表題作。巻頭の登場人物の中に多賀谷とあった。私の母と、父方の祖母の旧姓。そんな縁で読むことに。しんみりした人情話で始まり、途中からドタバタ劇になって走り出す。並みの手法とは逆である。大した話とは思えぬのだが、ラストシーンは素晴らしい。ドタバタが嘘のように急に収まる。雨音がしきりにしている。舞台に残された役者は一人、天井のライトは全て落とされ、その役者を捕らえるスポットのみ。「それにしても、よく降る雨だねえ」 最後のセリフと共にスポットもフェイドアウト。雨音だけが残り、緞帳が落ちてくる。目に浮かぶようだ。
2015/01/15
丘野詩果
あらあら画像がないのね、中公文庫の表紙絵は白井晟一氏の江戸時代浮世絵風の絵なのに。(昭和57年2月刊)戯曲であり、今、玉三郎さん、壇れいさんで赤坂ACTシアターにて上演中。観に行きたいけど無理なので、本を読んで頭の中で場面を思い描いています。
2012/09/24
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