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わが百味真髄 (中公文庫 A 69-3)

わが百味真髄 (中公文庫 A 69-3)

わが百味真髄 (中公文庫 A 69-3)

作家
檀一雄
出版社
中央公論新社
発売日
1983-11-01
ISBN
9784122010772
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わが百味真髄 (中公文庫 A 69-3) / 感想・レビュー

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冬見

世界のあちらこちらでその場その場の食をめいいっぱいに楽しみ、自分流にアレンジしてしまう料理の達人・檀一雄。嵐山先生の著書で出会ったからか、檀先生は料理のイメージ。『檀流クッキング』を読みさしで置いてきてしまったので、こちらを。火野葦平とふたりで酔っ払って講談社の貴賓室の机の上で踊った話は笑った。他の作家はさん付けもしくは氏呼びなのに、太宰治に限っては常に呼び捨てなのがじんわり良い。巻末の檀太郎「父の料理」は、檀先生の人柄や太郎氏の父への愛情・尊敬の念を感じて、思わず涙ぐんでしまった。あととてもお腹が空く。

2018/03/18

showgunn

とにかく文章がカラッとしていてめでたく豪快なユーモアもあり読んでいてとても楽しい。 太宰治が屋台で毛ガニを買って半分に割って歩きながら食っていた、とかの細かいエピソードもよい。

2016/03/01

ウテオンマ

このところはまっている料理エッセイ。壇一雄なら「壇流クッキング」だろうと思うけど、こちらが先に手に入ったので。石井好子が匂いが立ち上るような料理の描写をする人だとするとこの人のは何だろう?日本のプリプリの牡蠣を称して「カキのお腹のなかいっぱいに青バナを垂らしたような」・・って一瞬ツッコミたくなる表現だけど至極納得。食材を求めて日本の世界のどこまでも。個人的には、スーパー(じゃないか、昭和の書だから商店街)の特売食材を使って一週間の酒の肴を指南する回が好きでした。壇料理本3部作、必ず読みます。

2014/05/07

つれづれ

気軽なグルメエッセイかと思いきや、太宰治や坂口安吾といった作家たちとの食や酒の記憶に話が及んだり、世界各地で出会った食とそれをとりまく生活が綴られたり、筆者が強いこだわりをもつ「食」を中心に幅広い話題が繰り広げられ、読み応えがある。どこでも、どんなものでも臆することなく味わうことができた彼の舌と胃が、うらやましいばかり。

2008/10/23

にゃん吉

食に対する嗜好は、その人の生き方とか人生観を雄弁に語るのだなと思いました。天衣無縫というのか、破天荒というのか、それでいて、繊細でもあって。そんな人柄が、個々のエッセイから滲み出ていて、そこに書かれた著者が拘り、愛する食べ物は、飾らないけれど、人間らしさという滋味が満ちていて、どれも、何とも美味しそうです。個人的には、自宅の庭に生えたキノコの話、フグを捌こうと考えた話、モンゴル料理の話が、現代の我々が失ってしまった何かを物語っているようで、強く印象に残っています。

2018/08/08

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