KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

エロス的人間 (中公文庫 M 176-4)

エロス的人間 (中公文庫 M 176-4)

エロス的人間 (中公文庫 M 176-4)

作家
澁澤龍彦
出版社
中央公論新社
発売日
1984-09-10
ISBN
9784122011571
amazonで購入する

エロス的人間 (中公文庫 M 176-4) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

1976年から1980年にかけて書かれたものの中から、エロティシズムに関するものを澁澤自身が集成したもの。『ホモ・エロティクス』や『機械仕掛のエロス』中のエッセイと重なる。澁澤は「エロスは本質的にナルシシックである」とするが、けだし卓見であろう。エロスは一見、対象との同化を目指すかに見え、個の解消に向かうかのごときであるが、その実、きわめて個的なフェティッシュを温存するからである。ここでも、「文学的ポルノグラフィー」や「黒魔術考」など多岐にわたる澁澤の博覧強記ぶりを大いに楽しみたいところである。

2015/03/24

青蓮

エロティシズムをテーマに集めたエッセイ集。前半はやや難解でついて行くのが少し大変でしたが興味深く読みました。後半の「ジャン・ジュネ論」「文学的ポルノグラフィー」「黒魔術考」「悪魔のエロトロギア」「ドラキュラはなぜこわい?」は楽しく読めました。ジュネもいくつか積んであるのでそのうち読むつもりです。「文学的ポルノグラフィー」で取り上げられた「城の中のイギリス人」も積んであるのですが、まさかのネタバレ。でも物語の概要を知ってるとより深く理解できそうと思っておきます。あとがきにある「精神の排泄物」と言う言葉がツボ

2018/02/25

双海(ふたみ)

「エロス、性を超えるもの」、「黒魔術考」がおもしろかったです。とりわけ後者は『毒薬の手帖』『黒魔術の手帖』以来のまとまった分量のサバト・黒ミサに関する記述でした。満足満足。

2014/05/01

かやは

性に没頭している間は、人間であることを止められる。非連続な個体が連続することができる。それは自然、霊性と一体化することに通じる。エロスとは原点回帰のようなものか。しかし究極の連続性とは死。その幻影を追い求めるのがエロティシズム。社会性とはまるで逆で、人間性とは逆の方向へ走り出すこと。無意味で、暗く、だからこそ魅惑的なのだ。真の幸福とは、幸福も不幸も無いニュートラルな動物に等しい状態。つまり人間でなくなること。人間であるという状態は、幸福と不幸を行き来する存在であるということだと思った。

2015/12/11

Arowana

エロスの人こと澁澤龍彦氏の書評・エッセイ集。あとがきで、再読した自著を「精神の排泄物」と評しているところなど、洒落ていてお人柄を感じさせる。  <絶対と超越のエロティシズム/エロス、性を超えるもの/ホモ・エロティクス―ナルシシズムと死について/苦痛と快楽―拷問について/もう一つの死刑反対論/アラジンのランプ―「千夜一夜物語」について/ジャン・ジュネ論/文学的ポルノグラフィー/黒魔術考/悪魔のエロトロギア―西欧美術史の背景/ドラキュラはなぜ怖い?―恐怖についての試論/シモネッタの乳房(あとがきにかえて)>

2013/04/22

感想・レビューをもっと見る