宇宙からの帰還 (中公文庫 M 274)
宇宙からの帰還 (中公文庫 M 274) / 感想・レビュー
青乃108号
月から見ると漆黒の闇にマーブル大で見える地球は例えようもなく美しく、その美しさは写真では到底伝わらないものだという。俺は陰謀論的なものをすぐに信じてしまうので「アポロは月に行っていない」と思っていたが、どうやら人類は本当に月に降りたっていたようだ。月面では「神」がすぐ隣に確かな存在として感じられるらしい。この本では宇宙飛行士の多くに取材し、多くが「神」の存在を感じたと語る。なんとなく解る気もするが本当のところは自分で体験しないと解らないだろう。日常の、ごちゃごちゃした問題など大した事ではないと割りきれる。
2021/10/20
k sato
NASAアポロ計画を始めとする数々の宇宙計画に参加した元宇宙飛行士と立花隆氏の対談。精緻な調査から展開される質問の数々に、元宇宙飛行士も圧倒される。技術的側面に注目しがちの宇宙飛行であるが、宇宙体験が及ぼす精神的インパクトに着目した質問は世界で類をみない。赤裸々に告白されたのは、意識や宗教観、進化論に対する考察。宇宙体験を経てどう変化したか。宇宙空間に浮かぶ碧い地球をみた感動を語ることは難しいというのが元宇宙飛行士の本音。詩人や作家でなければ現物と写真の違いを上手く説明できないという冷静な分析に納得した。
2023/07/24
100
NASAの宇宙飛行士の宇宙体験の精神面での影響にクローズアップした内容。序盤のアポロ13号の事故のシーンで一気に引き込まれる。よく知らなかったけど、宇宙飛行士ってすごく優秀で、なるのは難しいんですね。なりたいと思った事はなかったけど、読んでるうちに宇宙に行きたくなった。個人的にはデューク・スレイトンを尊敬、ラッセル・シュワイカートの意見に賛同です。いい本。この本との出会いに感謝。
2021/01/12
hatayan
単行本は1983年刊。当時40代の立花隆がアメリカの宇宙飛行士に直接インタビューして内面の変化やその後の人生を探る名著。宇宙から見た地球に神の存在を確信して伝道師になった者、NASAのロビイ活動に嫌気が差して私生活もろとも破綻した者、実業家に転身して成功する者。容姿、頭脳ともに国家が申し分ないと認めた宇宙飛行士のその後の歩みは必ずしも一様ではありませんでした。 宇宙空間に人間が飛び出し始めた現代は、海にしかいなかった生物が陸に上がったときに匹敵する進化史の大きな転回点であるとの言葉に深みと興奮を覚えます。
2020/02/14
i-miya
2011.09.06 (むすび) 本書は、ここで、終わる。結論めいたものを書こうと思った。しかし、安易な総括を許さない人間存在の本質、この世界の存在の本質にかかわること。想像力を働かせれば追体験できるしろものでは、ない。私も宇宙体験したい、と思った、が、40超えた。
2011/09/06
感想・レビューをもっと見る