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ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)

ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)

ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30)

作家
レイモンド・カーヴァー
村上春樹
出版社
中央公論新社
発売日
1986-01-01
ISBN
9784122012899
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ぼくが電話をかけている場所 (中公文庫 C 30) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

カーヴァーは初読。『意味がなければスイングはない』を読んでいたら、そこにカーヴァーがアメリカのワーキング・クラスを描く数少ない作家として紹介されており、積読本からピックアップして、とりあえずこの短篇集を読むことに。8つの作品を収録するが、ここにはとりわけてワーキング・クラスを強く読者に意識させるものはない。しいて言えば、表題作の「ぼくが電話をかけている場所」、あるいは「大聖堂」がそうだということになるだろうか。どうもまだ現代アメリカ文学に浸りきれないのだが、おいおい他のカーヴァー作品も読んでいこうと思う。

2012/10/24

拓也 ◆mOrYeBoQbw

短篇集。リアリズムに「奇妙な味」を足したようなポストモダンの8篇が収められています。カーヴァーの短篇の特徴は明確な起承転結が見えず、尚且つ物語で最も述べたいテーマが作中で語られない、ヘミングウェイ『殺し屋』やコンラッド作品のような作風を徹底している点ですね。しかし繰り広げられるのは何処か非日常と、痛みが残る後味。グリエ、ヘミングウェイ、カポーティと同じように、簡素で修辞の少ない描写でも読者に色々訴えかける上手さを味わえる一冊です(・ω・)ノシ

2017/03/27

jahmatsu

100円棚より救出本、カーヴァー短編集。ジワジワくる味わい深かすぎる作品ばかり、かつ独特な空気感に引きつけられる。時にプチ暴力がいいアクセントにもなっている、ストーリーにオチなんていらない。そしてたまらなく酒呑みたくなった。

2018/06/14

田中

表題の「僕が電話を~」は、ずいぶん昔に読んだ一遍だけど、今になって読むと味わい深く残る。酒を飲みすぎるから意識が乱雑になり妻と喧嘩になるのだ。酔っぱらって家庭をメチャクチャにしたあげくに施設に入所。自分が一番ダメで寂しい男だと淡々と認める日々。失敗した生活をありのままに悔悟する正直な索漠感が伝わってくる。これからは、仲良く暮らしたいのだ。なぜなら、心から「妻」を愛しているから。男の弱さが滲んでくるような文章が切なくも温かい。ジャック・ロンドンが、反面教師として話題になるのは、おまけのようで嬉しい。

2021/12/03

ともっこ

極限までシンプルな文体(ミニマリズムというらしい)、しかし鮮やかな情景描写。 夫婦間のすれ違いや亀裂を描く作品が多い。 読者に完全に自由な想像を委ねてくるため解釈に戸惑う作品も多くあったが、行間を読ませる故の余韻がある。 個人的には「ダンスしないか?」と「大聖堂」が好み。 初カーヴァーで、図書館でふと目にとまり何となく手に取り何となく借りてきて読んでみたけど、この出会いに感謝したい。

2021/03/28

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