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言語姦覚 (中公文庫 A 113-8)

言語姦覚 (中公文庫 A 113-8)

言語姦覚 (中公文庫 A 113-8)

作家
筒井康隆
出版社
中央公論新社
発売日
1986-05-01
ISBN
9784122013216
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言語姦覚 (中公文庫 A 113-8) / 感想・レビュー

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優希

読み始めからパンチをくらわされたような強烈さがありました。書き下ろしの『現代の言語感覚』は凄い。何気ない言葉を徹底的に分析するしつこさが筒井サンらしいなと思わされます。「ハナモゲラ語」がかなりお気に入りです。朗唱したくなるような例文。ポルノっぽいものもありますが。文学論とか読書観のショートエッセイも面白かったです。何となく意味がつかめないのだけれど、真面目に読んでしまいました。理論武装が凄いですけれど、学術臭くならず、読みやすい。面白かったです。

2015/11/06

夜間飛行

筒井さんは「あのですね」「どうも」など異文化の人にわかりづらい符牒みたいな言葉について、「自分も使ってしまうけれど違和感がある」という態度で考察している。私の場合、微かな後ろめたさを伴いながら使う「ていうか」「ですので」や、(空気が読めないので)苦手な「空気を読む」という言い方などが思い浮かぶけれど、しょせん、自分の感覚なんて姦覚にすぎないのではないかとも思うのだ。政治家の失言による社会的損害の大きさから、大平総理のアーウー(言葉のためらい)を肯定しているが、昭和50年代ならぬ今の対外状況ではどうだろう?

2018/01/11

harass

『人間はみな平等。愛。「わたしは嘘は申しません。」性善説。「戦争は御免だ。」まごころ。老人を敬まおう。不幸な人に愛の手を。こういうものはみんな嘘であり、それを嘘と認識したところからドタバタ、スラプスティック、ハチャメチャSFは始まる。  人間は差別が好きで、肉欲に生きていて、嘘をつかねば生きられず、悪いことばかり考える。戦争は大好きである。(平和運動は戦争の第一段階だ)。裏切りこそ繁栄につながり、老人を馬鹿にし、早く死ねと思い、不幸なやつがいるために自らは幸福だといって喜ぶのである。

2017/04/09

saga

【再読】「現代の言語感覚」は考えさせられる言葉が多かった。ほとんどが著者に発せられたマスコミ側の言葉として解説されているが、「あのですね」「そうですね」「わたしって意外と」なんて自分でも使っちゃうよな~。これ以外は、様々な雑誌、新聞に寄稿されたもので、統一感はないものの、著者の小説、演劇に対する考えを知ることができて興味深い。決して言語を「姦」するような内容ではなく、著者にしては真面目なものだったと思う。

2024/01/28

山田太郎

こんだけ理論武装してて、人気あるというか読みやすいというかひとりよがりにならないのは、すごいと思います。自分が老いていくのまでネタにするのはすごいうというかこのサービス精神は感心する。しかし、ほんとに父親嫌いなんだなと。

2014/11/26

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