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アルファベット26講 (中公文庫 M 311)

アルファベット26講 (中公文庫 M 311)

アルファベット26講 (中公文庫 M 311)

作家
谷川俊太郎
出版社
中央公論新社
発売日
1986-08-01
ISBN
9784122013490
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アルファベット26講 (中公文庫 M 311) / 感想・レビュー

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安国寺@灯れ松明の火

詩ではなく文章、しかも50年以上前の連載。二十代の頃の文章という点も大きいかもしれませんが、感性の鈍い人への苛立ちや憤りを「不感症」という言葉などで結構ストレートに出していて、意外といえば意外でした。"L"の"leisure"の回で、「このレジャーということば自体、日本では何か殺気だった感じで受けとられている」「レジャーを働くことのバランス・ウェイトとして使うのでは、人間の創造的な喜びは失われるばかり」とあって、1960年頃ですでにそんな風潮だったのかと思うと何だか苦笑を禁じ得ません。

2014/04/29

skellig@topsy-turvy

もう五十年以上前に書かれたものだけど、楽しく読めた。特にVの項目「Virginity」は、単に処女性の問題だけじゃなく、無垢とか成長とか、自分が生きていく上で通過していく物事への姿勢も語られている気がして印象的。さらっと読める爽やかなエッセイでした。

2013/05/11

しゃけ

ことばを愛することができない、それ以上のものにこがれるという谷川さんのことばが丁寧な観察眼を通して紡ぎ出されていて美しい。 そして真面目なお話なのにユーモアたっぷりで、表現の一つ一つから自分の日常で何気なく感じることを優しく想起させられます。 図書館で借りたのに買いたくなってしまいました。

2019/08/18

仮名

Animalから始まってZeroまで、アルファベット順に26の言葉を頭文字で選んでサクッと語るエッセイ集。連載されていたのが50年も昔なので、古い話題もところどころに出てくるが、詩人の目線で捉えた世界は時代性なんて飛び越えて現在を生きる僕にも共感を呼び起こす。軽いタッチの語り口が読みやすくてついついサラッと読んでしまうけれど、話の端々には底知れぬ常闇が口を開けていて、簡単に読み流しては勿体無いような深みがそこかしこに広がっている。谷川さんのエッセイは外れがない。

2012/06/19

Takao

1986年8月10日発行(初版)。単行本は1981年6月発行だが、著者あとがきによると、元々は1961年6月から12月にかけて「スチューデント・タイムズ」に連載された。30歳の若き詩人のアルファベット26文字にまつわるエッセイ。amimal,boo,chair,dream,earth,…と続く。和田誠のイラストも味わいがある。optimism の項で「信じないでいることは信ずることよりもはるかにやさしいし、あきらめることは、あきらめずにいることよりはるかにやさしいのです。」という言葉に出会った。

2017/02/23

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