天馬賦 (中公文庫 A 72-7)
天馬賦 (中公文庫 A 72-7) / 感想・レビュー
seer78
日本の歴史や学生運動に取材した中短編8作。ひらがなを多用し話し口調で読者を物語に引き込む。クライスト的に徹底的に濃縮された短編「無明」「一露」が僕は好きだ。表題作は60年代の政治闘争を背景に作者の「絶対自由」の精神をフィクションとして描き出そうとする中篇。「鏡の中」もそうだが、核兵器や文化大革命、レーニン、ムンツェル、アナバプティズムといった小道具が巧みに配置され、場を盛り上げる。描写少なく、壮大なファンタジーで物語を引っ張る点で、近代文学としては傍流なのだろう。小説というより、ロマンというのが適切か。
2015/03/03
gkmond
感想https://gkmond.blogspot.com/2019/05/blog-post_15.html
2019/05/15
感想・レビューをもっと見る