馬よ花野に眠るべし (中公文庫 A 19-7)
馬よ花野に眠るべし (中公文庫 A 19-7) / 感想・レビュー
rinrinkimkim
泣けました!タイトルは主人公善六の辞世の句です。善六は愛馬敷島の死と共に自死するのですが遺書に辞世が書かれてます。二人(1人と1頭だけど)の出会ってから死ぬまでの物語。終戦の玉音が流れるその時に二人は軍務の最中で「美しい熊野灘は群青に晴れ渡っていて風が止まると、森閑とした一瞬があって木陰のざわつきだけが宇宙であった。中略海と岬と島が絵葉書のように目の前にあって、敷島は道端の草を喰い蝉が鳴いていただけである」ってなんて美しい文章なのでしょう!水上文学の真骨頂だ!どなたかのおすすめで読んで大感激です。
2018/10/24
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