ハリウッドの黄金時代 (中公文庫 か 32-4)
ハリウッドの黄金時代 (中公文庫 か 32-4) / 感想・レビュー
fritzng4
アラン・ラッド、エヴァ・ガードナー、シュトロハイム、ベティ・デイヴィス、ラナ・ターナー、メイ・ウエスト、ケーリー・グラント、グロリア・スワンソン、リタ・ヘイワース、ゲーリー・クーパー。今から30年前の連載とはいえ、華やかなりし頃のハリウッドスターを10人取り上げる企画でこの人選とは通好み。ハリウッド・バビロンから多く採られたであろう醜聞の数々はエルロイを知る今読むとまだ手温いかと思えども。シュトロハイム、メイ・ウエストに関してはもっと色々と知りたいことばかり。一気に読める、楽しい楽しいスター列伝也。
2018/01/01
るな
10人のスター列伝。俳優それぞれの個性や魅力を活写する35年前の川本さんの論調は、若々しい。故淀川長治氏の解説も独特の言い回しながら、川本さんの人物選定の妙や、対象に対する温かさをしかと感じ取っている。本の内容とは直接関係ないが、名作と評されることはなくとも、少なくない人の記憶の中に忘れ難い映画として刻まれているであろうロバート・マリガン監督の「おもいでの夏」を、さりげなく「傑作」と冠している川本さんの好みが嬉しい。
2021/09/20
グルーチョ
ハリウッド黄金期の俳優たちのゴシップ。とくにグロリアスワンソン、ベティデイヴィス、メイウェストの話が印象にのこる。女優の地位が低かった時代にそれを強烈なキャラクターで打ち破ろうとする精神。しかし、この時代のハリウッドは貞操観念もなにもあったもんじゃなくて結婚も離婚も簡単にしてしまうんだなぁ。
2019/01/14
りんご
ビリー・ワイルダーの傑作「サンセット大通り」で忘れられた大女優ノーマを演じたグロリア・スワンソンと、執事で元夫の映画監督役エーリッヒ・フォン・シュトロハイムの評伝が特に面白かった。あの映画の強烈過ぎるラストシーンから、なんとなく二人とも悲惨な晩年を過ごしたイメージがあったのだけれど、二人とも幸せな晩年だったということ。特にグロリア・スワンソンは女実業家として成功していて、だからこそ「落ちぶれた大女優」というオファーを快く受けられたということ。あと、この二人、実際に付き合ってたのね。
2013/11/16
Gen Kato
再読。簡潔にして勘所を押さえた愛あるミニ評伝集。川本氏が紹介するエヴァ・ガードナーもベティ・デイビスもラナ・ターナーもグロリア・スワンソンも美しく魅力的でちょっと哀しい。この中で一番の人物はメイ・ウエストでしょうか。「私は肉体を売りものにしているのではない。むしろ肉体を入り口にして知性で男たちと楽しいお喋りをしているのよ」って、カッコいいですなあ。あ、男性陣もステキですよ。
2014/07/20
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