対話日本の原像 (中公文庫 う 16-2)
対話日本の原像 (中公文庫 う 16-2) / 感想・レビュー
武井 康則
原日本人としてアイヌや沖縄を考えようというのが日本精神の深層。親鸞を考えるのがロゴスの深海。いかにも昭和の知性。吉本の言語論は構造主義的に無理だし(私はソシュールの構造主義的手法が正しいと思っている。)梅原の「隠された十字架」は、これどう読めばいいのと思っていた。(小説? 本気?)。証明できない、そんなの論拠にならないだろうというので証明してる。でも昭和はこれで通用してた。今でも好きな人はいるが、やはり、学問は今のほうがいい。
2019/09/03
ダイキ
「日本の古代宗教の姿を最も残すと見られるアイヌの宗教を色々考えていますが、面白いんですね。天国では動物も全部人間の形で生きているんです。つまり熊も木も貝も、全部天では人間の形で生きているんです。その熊や木や貝がこの世の中に現われて、その時に熊になり、木になり、貝になる。何のために熊になり、木になり、貝になるかというと、それは自分の身をあげるんだ。それが“身あげ(みやげ)”だ。だから身あげをもって、神は熊の形、木の形、貝の形をとって、この世にやってきた。そのみやげを我々はいただこうという訳ですね」〈梅原猛〉
2017/03/27
miracolo
日本古来の信仰がアイヌや沖縄に生きてるというのが興味深い。
2022/04/03
Haruka Fukuhara
うーん。あんまりよくわからなかったけど楽しそうだった。
2017/02/06
kanab612
吉本隆明は一生かけて読んでいきたい思想家の1人である。文章は洗練されていて読みやすいものの、その思想は難解で理解できているとはとても言いがたい。それでも何故こんなに魅かれるのかということの答えの1つに、この本で梅原氏が言っている「吉本さんは江戸の一庶民としての人生を全うしようとしている」という1文がとてもしっくりきた。どんなに名声を得ようとも、人間森林太郎として生涯をとじることを願った鴎外、作家(そしてランナー)と墓石に刻んでほしいという村上春樹、そういう生き方におそらくわたしは強く魅かれるのである。
2021/02/28
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