小林一茶 (中公文庫 い 35-11)
小林一茶 (中公文庫 い 35-11) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
井上ひさしのお芝居にしては何とも愛想のないタイトル。井上芝居といえば例えば『頭痛肩こり樋口一葉』といったネーミングの方が馴染みが深い。本篇でもう一つ特徴的なのは、これまた井上芝居にしては笑いの要素が極めて少ないこと。また、登場人物たちは、ことごとく劇の中でダブルキャストを演じるのだが、戯曲を読んでいる場合はともかく、舞台で見ていてわかるものだろうかと心配になる。さらには、歴史上実在の人物である小林一茶を、お芝居とはいえあんなに貶めてもいいものかと。こんなに珍しい要素の多いこのお芝居。玄人受けするのだろう。
2017/03/19
パチーノ
ハードカバーにて読了。「井上ひさし江戸三部作連続公演」其の参として上演され、『海』1979年12月号に掲載された。第31回読売文学賞戯曲賞などを受賞。騙し騙され物語が二転三転する井上ひさしお得意の作風。基本舞台は文化7(1810)年11月8日の夜の江戸。亡くなった480両を巡って明神座の連衆が一芝居を企てる。
2016/01/13
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