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潤一郎訳 源氏物語〈巻4〉 (中公文庫)

潤一郎訳 源氏物語〈巻4〉 (中公文庫)

潤一郎訳 源氏物語〈巻4〉 (中公文庫)

作家
紫式部
谷崎潤一郎
出版社
中央公論新社
発売日
1991-09-10
ISBN
9784122018419
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潤一郎訳 源氏物語〈巻4〉 (中公文庫) / 感想・レビュー

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syota

「柏木」から「総角」までを収録。「雲隠」までは光君の中晩年を描く第2部で、「匂宮」以降は光君没後の世界を舞台とする第3部に突入する。第2部の重要イベントは柏木の不倫と夕霧の不器用な恋だが、今回最も印象深かったのは紫の上の最後を描く「御法」だ。紫の上は知名度の割に、初登場の「若紫」を除けば鮮烈なシーンに恵まれず、浮気な夫に苦しむ本妻役に甘んじてきた。しかし「御法」での死を意識しつつ淡々と身を処す気品ある姿と、その後の光君の腑抜けたようなありさまは、紫の上が源氏最大のヒロインだったことを再認識させてくれる。⇒

2020/06/25

かごむし

3巻までの優雅な舞台が一転、雅やかに見える人たちの哀しさ、切なさを描き出す巻であった。悲しすぎて、何度か本を置かなくてはならなかった。読み進めるのが困難な時もあった。そこに血の通った人間がいる。それが源氏物語の面白さなのだろう。いよいよ長かった物語も、次で最終巻。巻を重ねるごとに、豊かにふくらんでいく物語であり、5巻も非常に楽しみであるけれども、この先のストーリーを知らないので、物語の展開によっては、もはや感情移入しすぎてしまって、最後まで読み切れるかどうかが不安なところではある。

2015/10/08

いろは

『橋姫』に、「色にも香にも未練がなくなりましてからは、昔嗜みましたこともすっかり忘れてしまいました。」という文章がある。この場合の「色」ってなんだろう。「香」ってなんだろう。色々と考え巡らすのが楽しい。『総角』に、「…もともと人とは違っていらっしゃるご本性のせいでございましょうか、…」という文章がある。「人と違っている=変わっている」ということでもあり、谷崎源氏にも、しばしば「変わっている」という言葉が出てくるが、この時代の「変わっている」ってなんだろう。「変わっている」って、私もよく言われているのだが。

2019/03/04

こうすけ

谷崎源氏第4巻。前巻があまりに面白かったので連続で読む。今巻で主人公が交代。源氏物語の根幹は、光源氏と紫の上の物語なのだと知る。その源氏の死は、まさかの省略によって語られるという素晴らしい表現。この国では神の死は説かれない、という解説にも感動。つづく話は、源氏の孫であり今上帝と明石中宮の子である匂宮と、女三宮の不義によって生まれた薫という、性格や境遇の異なる二人の物語。ある姉妹との四角関係(?)がメインで、光源氏のときのような政争がないので、めちゃくちゃ読みやすい。年内に読み終えられて良かった。

2022/12/31

ムカルナス

物語は源氏の子の夕霧や柏木、宇治十帖の薫や匂宮の世代に移っていく。源氏は好色で多くの恋人がいたけれど人間的魅力で恋人達と上手に関係を築いていたのに比べ、子孫たちは人間関係能力がイマイチ。夕霧や柏木は女性に疎まれながらも最後は強引に思いを遂げる。彼らからすれば自分の方が源氏より誠実、真面目なのに・・と言いたいところだが読んでる女の私から見ても何だか言い寄り方が下手でうざい感じが・・薫は頑なに誠実であろうとして結ばれることなく女君に死なれてしまう。草食男子みたい。現代でも十分通じるのが古典たる所以ですね。

2017/04/27

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